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「カフェオレ・ライター〜誰も書かなかった映画レビュー〜」は、映画、漫画、ゲームから、管理人の私生活に至るまで、独自の視点で紹介するレビューサイトです。(基本的にネタバレ有)

【5月1日】




僕は非常に男らしい人間である。

男らしい人間は外見なぞ気にしない。人間は中身で勝負なのだ。たとえシワが増えようが、肌が少々荒れようが、そんなちっぽけなことにはこだわらないのである。

そんな男らしい僕は、毎日風呂上がりに化粧水と乳液をたっぷり肌に塗りたくっているが、これは言うなれば「化粧水と皮膚組織が結合したとき肌にどんな変化が起こるか」という実験なのであって、美容のためではない、決して。

僕は実験には費用を惜しまない人間なので、化粧水と乳液も非常に高価なものを使っている。具体的に言うと一つ3000円である。3000円もあれば村さ来で飲み放題コースを頼むことができるし、マッサージの30分コースを受けることも可能という、恐ろしい額である。ひょっとしたら国防予算ぐらいはここから捻出できるかもしれない。

そんな大金を僕が持っているはずもなく、化粧水と乳液の代金合計6000円は妹から借りたという、これまた男らしいエピソードがあったりもする(普通の成人男性は妹に土下座して金を借りたりするまい。普通の人ができないことを平然とやれるのが男の中の男なのだ)。

男らしい僕は過去にはこだわらないさっぱりした人間なので、そんなエピソードはついぞ忘れていたのだが、先日妹から信じられない話を聞かされた。

「金を返せ」

である。

僕は思わず我が耳を疑った。しっかり耳掃除はしてあるはずなので、聞き間違いではない。そしてこの場には僕と妹しかいないので、相手は僕しかありえない。

「何の話?」

過去をもみ消そうとしたのだが、

「化粧水と乳液の代金、6000円よ。返して」

敵はしっかりと覚えていた。

「おれは過去にはこだわらない主義だからな…」

「わたしはこだわる。返せ」

「ちょっと待て。そんな急に言われても困るし、第一あれはおごりじゃないん?」

「誰がおごり言うた!」

「わかったわかった、じゃあコーラおごるよ。担保な、担保」

「価値が違うだろうが」

「ええやん。兄弟やん。身内値段でええやん」

「ダメ」

「おれの笑顔はいくら?」

「むしろ借金増えるよ」

「……」

催促だけではなく、しまいには僕の人間性まで軽く否定されてしまったが、我が家のヒエラルキーを考えると、最下層のスードラである僕が妹に勝てるわけはないのである。しかし6000円もの大金は出せない。そこで僕は男らしく提案した。

「じゃ、肩たたき券6枚でお願いします…」

「……」

「お願いします…」

泣き落としと必死の土下座により、奇跡的に妹はその提案を呑んでくれた。僕を見る目がいささか冷えていたような気もするが、男らしい僕はそんな細かいことにはこだわらないのである。

それにしても、泣き落としに土下座とは、我ながら非常に男らしい手段だったと思う。

どのへんが? とお思いの方のために補足しておくと、目的のためには手段を選ばないという部分である。

こうして僕は、今日も男らしく一日を乗り切ったのであった。





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