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| 【3月13日】
真珠の耳飾りの少女 レビュー(レビュー)
画家フェルメールの名画、「青いターバンの少女」。皆さんも、美術の教科書あたりで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。 「真珠の耳飾りの少女」は、この名画ができたいきさつってこうなんじゃねえの? という監督の妄想から生まれた映画です。どうやら監督は本作でデビューらしく、最初の題材にしてはまた随分と渋いテーマを選んだなという気がします。 あらすじは、
といった感じで、正直地味です。 しかし、全体の雰囲気やゆったりと流れるストーリーの味わい深さは、さすがフランス映画。フェルメールやアートに少しでも興味があるなら、見ても損はないはずです。
実はこの主人公であり、「青いターバンの少女」のモデルにもなったグリートは、美しく、そしてとんでもない魔性を秘めた女だったのです。
どうやらこの映画では、清純で汚れのない少女(アマゾンレビューより)としてグリートを描きたかったようなのですが、やはり性根の奥底に潜む悪魔性をすべて消すことは無理だったようです。 そこで今回は魔性の女グリートがフェルメール一家を崩壊に導く様子を見ていくことにしましょう。
ある日、彼女は生活費を稼ぐために丁稚奉公へ出かけることになります。 その出向先がフェルメール家。主人のフェルメールは、パトロンの依頼を受けて絵を描く人気画家です。 家族構成は、フェルメールの妻、フェルメールの母親、フェルメールの娘2人の計5人。これに使用人たちを加えると結構な数になります。 ひとまず見習いとして雇われることになったグリートですが、彼女の若さと美しさに嫉妬したのか、フェルメールの妻が冷たい態度で接してきます。
「気安く(名前を)呼ばないでちょうだい! お前は見習いよ。雇ったわけじゃないわ」 女の嫉妬は怖いですね……立場が下ということもあってか、グリートは言い返すことができません。 「……はい。奥様」 と、うつむくグリート。しかし、おそらく彼女のはらわたは煮えくり返っていたはずです。 この瞬間、グリートの「フェルメール家崩壊大作戦」が始まったのでした。
グリートは考えます。妻にとって、もっとも恐ろしい罰……それは、夫であるフェルメールの心が離れていくことに他なりません。 何しろフェルメール夫妻は、この映画中だけで2度も妊娠するほどのラブラブカップル。その仲を裂くことは、最高の復讐になるはずです。 そこでグリートが武器にしたのは、妻にはない自らの美貌と若さ。そして、画家であるフェルメールの心理を巧みに突いた、第3の武器「色彩感覚」でした。 あるとき、ひょんなことからグリートが持つ優れた色彩感覚に気付いたフェルメールは、その稀有な才能にほれ込み、以後グリートを頻繁に自分のアトリエに呼び寄せるようになります。 もうこの時点で、フェルメールは完璧にグリートにイカれてしまっています。偏屈の画家をあっさりと屈服させるグリート恐るべし……。 そう……もしかしたら、色彩感覚の才能すら、ウソかもしれませんよね! たとえば、グリートの色彩の才能を表すエピソードとして、雲の色をフェルメールに尋ねられ、
「白……いいえ、白じゃない。黄色……ブルー……グレー……いろんな色が混じってます……」 と答える場面があるのですが、まぁこんなの割と適当に色の名前言っときゃいいような気もしますしね! さて、着実にフェルメールを手中に収めつつあるグリートでしたが、ここへきてまた別の敵が登場します。 それがフェルメールの娘。意外な伏兵です。 どうやら女性は第六感が働くらしく、グリートに骨抜きにされる男性陣と違って、しっかりと彼女の魔性を見抜いているようですね。 しかし惜しいことに、まだ若い。もう少し経験を積まないとグリートにはかないません。 ある日のこと、フェルメールの娘は、グリートが洗濯したシーツをわざと汚れた手で触り、台無しにしました。
これにキレたグリートは、
雇い主の子供を普通に殴りました。 フェルメールが見ている前では決して見せない悪魔的所業です。女は、目の前にいる人によってこうも態度を変えることができるのですか……? これにびびったフェルメールの娘、あっさり撃沈です。 ……もう誰もグリートには逆らえません。
ラストシーン。このことを知った妻は、当然のことながら半狂乱。
「ひどいわ! なぜ私じゃないの! あんまりよ!」 と泣き叫びながら、フェルメールにすがりつきます。 しかし時既に遅し……。フェルメールに「お前には理解できない」と冷たくはねつけられます。その様子を壁際に立って静かに見つめるグリートの姿は、さながらレクター博士のようでもありました。
元凶は去った……しかし、一度壊れたフェルメール家は、二度と元には戻らないのでした。 恐るべし美女。 これを読んでいる若き男子諸君、美人には要注意だ!
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