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「カフェオレ・ライター〜誰も書かなかった映画レビュー〜」は、映画、漫画、ゲームから、管理人の私生活に至るまで、独自の視点で紹介するレビューサイトです。(基本的にネタバレ有)

RPGツクールをやってみよう!【修正版】






RPGツクールというゲームを知っていますか?

とりあえずこれを知らないことには、このお話はわからないかもしれません。

どういうものかというと、その名の通り、ゲーム(RPG)を自分で作れるゲームです。



RPGというのは、ロールプレイングゲームの省略で、物語の主人公に自分を重ね合わせ、壮大な世界を旅していくという非常に根気のいるゲームのことです。


ちなみにこの手のゲームは、だいたい魔王とかそういう悪役を倒して、ハッピーエンドというのが、標準的なオチになります。

そのためなら、主人公は、人様のタンスから薬草を盗んだり、むしろお前が世界に迷惑かけてんじゃないかって言いたくなるような行動をとることも多いわけですが、まあそれは置いといてですね。


このRPGツクール、全国のゲームクリエイターを夢みる少年たちを満足させるのに、非常に優れた作りになっています。

と言いますのも、結構本格的に作ることができるのです。


もちろん限界はあります。

グラフィックなどはあらかじめ用意されているものを使うしかありません。ていうかドット絵なんぞ素人には描けません。

それでも、物語、主人公たち、戦闘、敵のステータス、魔法効果、その他もろもろを全部自分で作れるので、僕のような妄想狂想像力豊かな人間には、非常に惹かれるゲームなわけです。


ちなみに、RPGツクールは5作ぐらいまで発売されてますが、とりあえず始めてプレイしたときのお話。

そう、「ツクール1」をプレイしたときのお話です。



当時、確か15歳ぐらいだった僕は、ワクワクしながら自作のストーリーを考えました。


物語を作るというのは嫌いではなかったので、割とすんなりできあがりました。

といってもこんなのとか、こんなのしか作れないんですけどね。


さて、後は実際にストーリーをゲーム上で再現させていく作業です。

しかしここで、僕はある重大な事実に気づいてしまいました。


容量が少なすぎる。


……これは問題です。


容量、つまりRPGツクールが許す物語の長さが、
とにかく短いのです。

最後までプレイすると30時間を越えるような壮大なストーリーを計画していた僕にとって、これは致命的な事実です。


このゲームをプレイした人ならわかると思うのですが、容量を食う最大の原因は、キャラクター同士の「会話」なんですよね。

そこで考えた挙句、キーワードとなる会話のみを残し、後は削除するという方法で、ギリギリ進めていくことにしました。


例えばこんな感じです。


−−−

(セリフ:変更前)

村の人「ここから先の洞窟には、魔王に操られたモンスターが出るんじゃ…。だが村の娘がさらわれたとあっては放ってもおけん…。そうじゃ!お前さん方、娘を助けるためにモンスターを倒しに行ってはくれぬか?もちろんできるだけの礼はするが」



(セリフ:変更後)

村の人「洞窟に出る魔物に娘がさらわれた。お礼は出すから助けてくれ」

−−−




……わ〜!

超シンプルー!



マルコ少年の必死さは伝わってくるのですが、
シンプルすぎてリアリティはゼロです。

これがドラマだったら、この脚本を書いた僕は即刻クビでしょうね。


しかし、物語を最後まで完結させるためには致しかたありません…。

涙を呑んで続けます。


ではストーリーを最初から見ていきましょう。


物語は、とある町に住む主人公、ティオが家から出たところから始まります。

ちなみにこのオープニングで、


−−−

ティオ「あーあ、最近面白いことないなー。そうだ、親方のところにでも行こう!」

−−−

という独り言が予定されていたのですが、当然、ぜんぶカットです。

下手をすればオープニングで容量を使い切ってしまいかねないのに、こんなところで消費するわけにはいきませんよね!


てなわけで、
主人公無言のまま物語スタートです。


そして、ティオが歩くこと数歩。


いきなり、空から女の子が落ちてきます。


どうやら、深く考えずに
いきなりラピュタをパクるのが当時の俺流だったようです。落合監督もびっくりです。


ここで、本来なら「フワフワ……」という感じに、ゆっくり落ちてくる演出を使う予定だったのですが、適当な効果音がなかったので、
ドーン!という効果音を使いました。

音だけで判断したらヒロインは確実に即死です。



そしてここで、


−−−

ティオ「な! なんだい? 君は!? 今、空から…」

女の子「アイタタ…あ!? ごめんなさい…びっくりしたでしょ? えっとね…これには深いわけがあるんだけど…」

ティオ「と、とりあえず怪我はない?」

女の子「心配してくれてありがとう…でもあなたに迷惑かけられないから、今見たことは忘れて!」


と、駆け出す少女。


ティオ「ま、待てよ! 町の外にはモンスターがいるから危ないよ。とりあえず親方のところで一休みしていったらどう?」

女の子「………うん、そうね。ありがとう。そうするね、親方さんのところまで連れて行ってくれる?」


女の子が仲間になった! チャ〜ラ〜(効果音)

−−−


と、なるはずだったのですが、容量不足のため、
必要以外の会話をカットした結果……。


−−−

ティオ「大丈夫かい!? 親方のところへ行こう!!」

女の子「ありがとう、連れて行ってね」


女の子が仲間になった! チャ〜ラ〜(効果音)

−−−

という、非常にシンプルな形になりました。

余りにも早すぎる展開に、僕自身が話についていけません。


何しろ、物語がスタートしてから、


唐突に空から落ちてきた少女。

そして即行でナンパする主人公。


……これが市販のゲームだったら、僕はこの時点で間違いなくコントローラーを置くね。

そしてCD-ROMをフリスビーにして遊び始めるね。


話を戻しますと、二人は次に親方の所へ行くわけですが、ここでも。


−−−

ティオ「親方! 空から女の子が落ちてきたよ!」(←このセリフはまんまラピュタ)

親方「何を寝ぼけたことを言ってるんだ? ティオ」

ティオ「ホントだって! この子がそうなんだ」

女の子「始めまして…」

親方「ん…? その胸のペンダントは…」


何かを考え込む親方。


ティオ「どうしたんだよ? 親方…」

親方「そのペンダント…見覚えがある…確か何かの本で見た。古代に滅んだという王国のものでは?」(←このへんもしつこくラピュタをパクっています)

女の子「………そうです」

親方「やはりそうか…この村の言い伝えでな、その紋章が現れしとき、大いなる何かが目覚めん、という伝説があるんだ」

おもむろに立ち上がる親方。

親方「ティオ、お前には隠していたが、お前をわしが拾ったとき、お前の胸にもその紋章のアザがあったんだよ」

ティオ「え!?」

親方「どうやらお前も、世界を知るときがきたようだな…行って来い! そして世界を見てくるんだ」


そして旅立つ二人。

−−−


という展開を用意していたのに、容量の都合で、


−−−

ティオ「親方! 空から女の子が落ちてきたよ!」

親方「そうか…よし! ティオ、旅に出るんだ! 世界を見て来い!」


そして旅立つ二人。

−−−


こんな風になってしまいました。


親方、そりゃ唐突すぎるって。


どうも容量を気にしすぎて、
残すべきセリフまでカットしてしまったようです。


そんなこんなで、お話は進み、せっかく用意した敵キャラ「四天王」も、一人ずつ主人公の相手をさせるような容量の余裕がなく、4人中3人が一気にやられるという有様です。


4人も用意した当初の意図を完全に忘れています。


ラスボスの魔王に至っては、
「よく来たな!」しか言いません。

無口にもほどがあります。


こうして、感動(?)のエンディングを迎えるわけですが、


ここでも
似たような展開が。


もはやバカバカしすぎて説明する気にもなれませんが、とりあえずエンディングを作っていた時点で容量が押していたため、5分で終わるエンディングになったということだけ言っておきましょう。

ここまで散々ダルい展開に付き合わされて、そのご褒美は5分足らずの寸劇。



……とまぁ、容量というもっとも大事な部分が欠けてしまった「RPGツクール」なわけですが、「ゲームを作れるゲーム」という発想はすごく良いと思います。


ようは大作を作ろうとするからダメなわけです。


実は、それをうまく攻略したのが友人のT君でした。


彼曰く、

T君「ロマサガみたいな感じでさ、自由度を高くしてあるから」

ということだったのですが、プレイしてみると、自由度が高いどころか、その逆でした。


まず、自分の部屋で目が覚めた主人公は、様々な冒険を繰り返しながら、ついにラスボスに到達します。


どのへんが自由なのかさっぱりわからないまま、ラスボスとの戦いに臨むと、


−−−

主人公「見つけたぜ! もう逃がさない! 覚悟しろ!」

ラスボス「ふっふっふ…」

主人公「!? 何がおかしい!?」

ラスボス「残念だったな…わたしは本当の魔王ではない」

主人公「何っ!?」

ラスボス「本当のラスボスは、お前の部屋の壷にいるのだ!


……えー!?

−−−


……この件に関してT君を問い詰めてみました。


僕「あれってどういうこと? まさかとは思うけど、オープニングで部屋の壺調べたら……?」

T君「うん、いきなりラスボスと戦えるよ


それ、自由度が高いにもほどがあるよ。

ていうか俺の20時間を返してくれ。


やっぱT君ぐらい大物にならないとツクールは使いこなせないんだな、とか思った、そんな思春期の僕。

まぁゲーム作る暇があれば女を作れって感じなんですけどね!(台無し)




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