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「カフェオレ・ライター〜誰も書かなかった映画レビュー〜」は、映画、漫画、ゲームから、管理人の私生活に至るまで、独自の視点で紹介するレビューサイトです。(基本的にネタバレ有) |
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「耳をすませば」レビュー 後編
役目を終えた脇役は死なず、ただ消え去るのみ……(マッカーサー)。 しかし、ふった張本人の雫も多少ショックを受けたようで、傷心のまま、例の不思議な店に向かいます。 ところが、店は休みでした。 行き場をなくした雫は、呆然と立ち尽くします。 そこで目に入ってきたのが、電車にいた猫。 店の前で丸まる猫の横に座り、「君も締め出されたの?」と、やっぱり話しかける雫。 そのまま黙り込む雫ですが、そこに登場したのがあのキザな少年。 三度登場です。 「へえ……月島か」 「お店……開いてないの?」 「ああ、この店変な店だから、開いてるほうが少ないんだ」 ……やる気のない店ですね。 どうやら、この少年は、この店の関係者のようです。 そして、バロン人形が見たいとわがままを言う雫に対して、 「あの猫の人形か。見る? こいよ」 強引な少年の誘いで、雫は裏口から店に入ります。 店内でバロン人形に見とれる雫を置いて、少年は別室でバイオリンを作り始めます。 文字で書くと想像しにくいかもしれませんが、要するにカンナみたいなので木を削り、文字通りバイオリンを製作しているわけです。 それを見た雫は、「バイオリン弾けるんでしょ? 弾いて弾いて!」と少年に迫ります。 渋々といった感じで、カントリーロードを弾き始める少年。 突然言われて弾き始めた割に、このカントリーロードが明らかにあらかじめ練習しただろ!っていうぐらい上手なんですが、これもヤツの策の一つなのかもしれません。 ここで、以前出会った店の主人も帰ってきて、仲間と一緒に楽器を演奏し始めます。 つかの間の演奏会が終了したところで、少年の名前が、例の天沢聖司だということが発覚。一応、映画の筋からいけば「えぇ〜!?」と驚くところなのかもしれませんが、最初からパターン見え見えだったので、ちっとも驚けませんでした。 天沢に送ってもらった帰り道、天沢は「将来、バイオリン作りの職人になりたいんだ」と、自分の夢を語ります。 同じ本を読んでいながら、自分とは違い、将来の進路をしっかりと決めている天沢聖司に、雫はコンプレックスを抱きます。 それは、雫が初めて感じた焦燥感でした。 翌日、学校へ行くと、昨日の帰り道で天沢と一緒だったことが早くも級友にバレていて、ちょっとした噂になっていました。 ちなみに、告白以来ギクシャクしていた杉村とも、何とか普通に挨拶できるようになりました。おめでとうございます。 昼休み、雫のクラスに天沢がやってきます。 「月島……いるかな?」 「は、はいっ!」 突然の天沢の訪問に、戸惑う雫。 しかしこの男、今までは唐突に現れるだけだったのに、名前が発覚した途端大胆になりましたね。これも何かの作戦でしょうか。 屋上に呼び出された雫は、天沢に向かって文句を言います。 「あんなに人がたくさんいるところで……」 天沢「ごめん、でも、雫に一番に教えたかったんだ」 あれっ? さりげなく「雫」って呼び捨てになっていますね。 言葉をたくみにあやつって距離を詰める……さすがは天沢聖司。15歳とは思えない恋テクです。 さて、天沢が何を雫に伝えたかったのかというと、夢であるバイオリン職人になるために、中学を卒業したら修行をしにイタリアへ行く。それが可能になったんだということを教えにきたわけです。 まぁ、そんなことはどうでもいいのです。 なぜならこの後、彼は衝撃の告白をするのですから。 いいですか、耳かっぽじって聞いてくださいよ。 雨が止み、屋上の手すりにもたれかかる雫と天沢。 そして天沢が一言。
「俺……図書カードで、ずっと前から雫に気がついていたんだ」
えっ?
「図書館で、何度もすれ違ったの、知らないだろ」
「隣の席に、座ったこともあるんだぞ。……俺、お前より先に図書カードに名前を書くために、ずいぶん本読んだんだからな」
ストーカー!
ヤツは本物のストーカーです。
やはり普通の15歳では、こんなもんなのでしょうか。雫では天才天沢にはとても太刀打ちできません。 そして天沢は、衝撃のストーカー宣言をうやむやにするかのように、数ヶ月間イタリアへ高飛びします。もちろん、表向きはバイオリン作りの修行と言っていますが、僕の目は欺けません。 それはともかく、見事に洗脳されてしまった主人公、月島雫。 どんどん進路を決めて進んでいく天沢聖司に自分も追いつきたいという思いから、「わたしにも何かできることをしよう」と思い立ちます。 「そうだ! 小説を書こう!」 ちょっと強引な展開という気もしますが、2時間アニメなので仕方ありません。 さっそく、雫は例の怪しげな店に置いてあった猫の人形、バロンを主人公にした物語を書くことにします。 ところが、余りにも執筆に熱中するあまり、学校の成績を大幅に下げ、親が呼び出される始末。 恋の病とは恐ろしいですね。雫の暴走はもう止まりません。 とにかく両親を説得し、精一杯小説を書くことを決意します。 この後いろいろと小説に関しての描写があるんですが、面白くないので割愛します。 物語は、雫が小説を書き終えて満足したところにまで進みます。
おそらくこれが、この物語最大の教訓でしょう。 ここで言いたいことは言い切ったので、本編は一気にラストシーンへと突入していきます。 小説を書き終わり、ぐっすりと眠りこける雫。 まだ日も昇らない冬の早朝、ふと目を覚ますと、窓の外に何かの気配を感じます。
うわー! なんと、イタリアへ行っているはずの天沢聖司が手を振っているではありませんか! そう、彼は少し予定を早めて日本へ帰ってきていたのでした。 しかも、雫が小説を書き終えたちょうどその翌日に。 このナイスすぎるタイミングに、天才ストーカー天沢聖司のしたたかな策略を感じますが、残念ながら証拠不十分で釈放です。 困惑する雫に、自転車の後ろに乗れと合図する天沢。 既に恋の奴隷と化している雫は、言われるがままに天沢の自転車に乗ってしまいます。 そしてそのまま走り出す二人。 「雫に早く会いたくてさ、何度も心の中で叫んだんだ。『しずくー!』って。そしたらさ、本当に雫が顔出すんだもん。すごいよ俺たち」 ……本当にすごいのはお前のしつこさです。 いいですか、皆さん。ここは感動するところじゃないですよ。 よく考えてください。 早朝、自分の家の下に、イタリアへ行ったはずの男がやってきて自分をじっと待っているんですよ。 そして心の中で自分の名前を叫んでいるんです。 どう考えても粘着質ストーカーそのものじゃないですか! なぜ雫もこれがわからないのでしょうか。 で、拉致られた雫は、天沢と共に”秘密の場所”へと向かいます。 ここでならたとえ天沢に殺されても遺体は発見されないでしょう。 ともあれ、二人は一緒に日の出を見ます。物語中(表向きは)最大の感動シーンです。 雫「わたし、聖司がいたからがんばれたの…自分のこと、前より少しわかったから…」 さりげなく、雫の、天沢に対する呼び方が、天沢君⇒聖司君⇒聖司 と変わっていくことに気づきましたか? この娘、ピュアなんだか計算高いんだか分からなくなってきました。 ここで、天沢が雫に言います。 「雫……俺と結婚してくれっ!」 きた! 自分の脳内だけで妄想を膨らませて、いきなり飛躍した考えを相手に押し付けるのはストーカーの特徴ですよ! こんな無茶なことを急に言い出す中3なんていません。 これで雫もわかって……! と思ったら、普通にうなずく雫……。
おめでとう。たとえストーカーと言えども勝てば官軍。 恋人同士になったからには、もうストーカーだなんて呼べないね……。
※ 参考資料 【ストーカー行為規制法案】 目的…略 ● 定義 (1)つきまとい、待ち伏せし、住居、勤務先など通常所在する場所の付近において見張り、または住居などに押しかけること。 (2)その行動を監視しているような事項を告げ、またはその知りうる状態に置くこと。 (3)面会、交際その他の義務がないことを行うことを要求すること。 (4)著しく粗野または乱暴な言動をすること。 (5)電話をかけて何も告げず、または拒まれたにも関わらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信すること。 以下略。 ● 罰則 ストーカー行為に罰則(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金、親告罪)を設ける。 以下略。
関連レビュー:もしも「耳をすませば」の舞台が2008年だったら
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