トップ アバウト  厳選(ジャンル別) 過去ログ リンク メール 写真日記

「カフェオレ・ライター〜誰も書かなかった映画レビュー〜」は、映画、漫画、ゲームから、管理人の私生活に至るまで、独自の視点で紹介するレビューサイトです。(基本的にネタバレ有)

ターミナル レビュー

※完全ネタバレ



トム・ハンクスとスピルバーグが手を組んだ傑作ヒューマンストーリー。それがこの「ターミナル」。

空港を舞台に人間模様を描く、斬新な設定の映画です。あらすじをざっと。

−あらすじ−

政情不安定なクラコウジアからやってきたビクター(トム・ハンクス)は、アメリカ入国直前、祖国の革命によってパスポートが失効し、アメリカに入れなくなった。と同時にクラコウジアへ帰ることもできなくなり、空港に足止めを喰らうことになる。空港の責任者であるディクソンは、何とかビクターを追い出そうと企むが……。

ニューヨーク空港に、政情不安定な国クラコウジアから、一人の男がやってきたところから、物語は始まります。

彼の名は、ビクター・ナボルスキー。

ある目的があってアメリカへやってきたのですが、彼がフライトしている間に、なんと祖国で革命が勃発。

政府は消滅し、同時にビクターのパスポートも失効します。

つまり、彼はアメリカへ入国することも、クラコウジアへ帰国することもできなくなってしまったわけです。

空港の責任者であるディクソンは、そんなビクターを、国際線のロビーに寝泊りさせ、その間に何とか手を打とうしますが、これがうまくいきません。

そうこうしているうちに、ディクソンは局長代理に就任。自分の管轄でこんな身分不安定な男をフラフラさせておくことが、責任問題になると考えたディクソンは、今度は、何とかビクターを空港から追い出そうと考えます。

追い出してさえしまえば、後は移民局が彼を捕らえるため、自分の責任ではなくなるからです。なるほど頭の良い男です。

ところで、この局長代理のディクソンですが、映画をご覧になった方ならおわかりになるかと思いますが、すごく立派なハゲです。つるつるです。


さて、映画では、ディクソンのやることなすこと全てが裏目に出ます。

ある日、父親のために薬をアメリカに持ち込んだ男が、そのために空港でストップをかけられ、ナイフを持って暴れるという出来事がありました。

彼は言葉が通じないため、ディクソンは同じ東欧出身であるビクターに助けを求めます。

ビクターの通訳により、男の興奮は鎮まりますが、父親の病気を治すための薬は、許可書がないとアメリカに持ち込むことはできません。

そこで、「動物用の薬なら許可書は必要ない」と知っていたビクターは、男に入れ知恵し、「薬はヤギ用だ」と言わせて、無事通過させます。

これに腹を立てたのはディクソンです。

「ふざるけるな。何のつもりだ」とビクターに詰め寄るディクソン。自分の管轄内で不正が行わせはしない。それは当然のことです。

にも関わらず、哀れな男を助けたということで、ビクターは空港内で英雄扱い。

一方のディクソンは、上司に「規則よりも優先しなければならないことがある。ビクターに学びたまえ」と、お灸を据えられてしまいます。

だって……規則は規則じゃん……! もしアレがテロ用の薬品だったりしたらどうするんだよ……!

そんなハゲの叫びが聞こえてくるようです。

空港の秩序を守っただけなのに、なぜ自分が悪いことになっているのでしょうか……。

どうして? ハゲだから?


また、こんなこともありました。

9ヶ月にも及んだ戦争が終わり、ついに特別入国が認められたビクター。随分長い間空港にいたものです。しかし、許可証にディクソンのサインがないと、外に出ることはできません。

当然、ディクソンはビクターをクラコウジアへ帰国させたいと思っているので、サインをするはずはない。

そこで、ビクターは強引に外へ出ようとします。それを応援する空港の人々。ビクターは空港の名物男なので、もうお祭状態です。

しかし、そうはいきません。なぜって、ディクソンのサインはないのですから、これは違法です! 大変! 止めなければ!

ディクソンは慌てて、部下にビクターを止めるよう指示を出します。

しかし、部下たちも既にビクターにほだされており、止めるどころか、自分のジャケットを「外は寒いから」とかけてやる始末。

「バカな! そんなバカな!」と、ディクソンは歯噛みしますが、時すでに遅く、ビクターは悠々とアメリカへと出ていきました。

嗚呼……人望のないディクソン……彼は単に空港の治安を守ろうとしただけだったのに……。

だって……もしビクターがテロリストだったらどうすんだよ……! お前ら9ヶ月でヤツの何がわかったっていうんだ……ガチの詐欺師かもしれんじゃないか……!

そんなハゲの叫びが聞こえてくるようです。

アメリカ国を守ろうとしただけなのに、なぜディクソンが悪者扱いされるのでしょうか。

どうして? ハゲだから?


また、こんなこともありました。

ビクターと仲良くなったスッチーを呼び出したディクソンは、彼女に尋ねます。

「君のような、どんな男でも簡単に落とせる女性が、なぜナボルスキーを選ぶ?」

それに対して、スッチーはニッコリ笑ってこう答えました。

あなたのような男性には、一生わからないことよ」


……「あなたのような」って……。

それはハゲか……ハゲのことかーー!(ぞわっ)



嗚呼。

タイタニックもそうでした……。

世間は、ハゲに冷たすぎる……。



……空港での出会いと別れ、次第に暖かく変化する人々の心を描いた「ターミナル」。



人の心は変わっても、

死んだ毛根は変わらない。


そんな真理を僕たちに教えてくれる映画でした。




戻る

 

[サイト全体累計]  [今日]  [昨日]

TOP