【2013年8月5日】
新テニプリでついに「ラケットの二刀流」が登場
毎月レビューしているジャンプSQで連載中の「新テニスの王子様」ですが、先月はちょっといろいろ忙殺されており遅れに遅れて今になってしまいました……。
もう新しい号が発売されちゃったなー……と考えつつ、今月号を買ってみたら、
今月のジャンプSQのラストで、許斐先生が体調を崩されて
今月2話掲載予定が1話掲載になったというお知らせが。
……い、いや、1話でも十分だと思いますよ許斐先生……。
これ、読者以外にはあまり知られてないかもしれませんが、新テニプリは
毎月平均して2話〜3話掲載していますからね。
ともあれ、今月号はいつもよりも掲載ページが少なかったので、先月号と合わせてレビューしていこうと思います。
さて、まずは現状のおさらいですが、
現在は、リョーマらおなじみの中学生メンバーと、高校生の海外選抜組との団体戦が佳境に差し掛かったところ。
中学生チームからは、
怪物・亜久津と
皇帝・真田という、
中3とは思えない異名を持つ2人がペアを組み、高校生の種ヶ島・大曲ペアにダブルス戦を挑んだところでした。
ということで試合がスタートしたわけですが……
試合開始早々、亜久津が
人間離れした変な動きで相手を翻弄し始めます。
……背景とかぶって見えにくいかもしれないので、どこにいるかわかりやすくしてみましょう。
ここをスカイフィッシュのごとく
重力に逆らって飛行している物体が亜久津です。何なんだその動き……。
……と思ったのは
僕ら読者だけではなかったようで、ギャラリーからも亜久津の動きに
「何だアイツの動きはっ!?」という驚きの声が上がります。テニプリにおいて
読者とギャラリーの心が一つになった数少ない瞬間です。
でも実は、亜久津ってたしかもともとこういうプレイスタイルなんですよね。すっかり忘れてましたけど、彼は
持ち前の運動神経の良さですべてのスポーツの頂点を目指せるほどの能力の持ち主なのです。
そんな感じで高校生ペアを翻弄する亜久津ですが、一方でコンビを組んでいる真田も負けてはいません。
"返球しようとした相手のラケットのガットを確実に突き破る"という、
テニスというスポーツの楽しさを根本から否定するかのような必殺技
「雷」を繰り出す真田。
……が、しかし、
ラケットのガットを確実に破るため返球は不可能とされていた「雷」が、種ヶ島先輩にはまったく通じず、
普通に返されてしまいます。しかもこのコマを見るに、
逆に真田のラケットが破られています。……これはひょっとして、雷の特性はそのままに返球されたということなのでしょうか。
わけもわからず呆然としていると、
種ヶ島が
「金魚すくいの要領やな」と事も無げに一言。……金魚すくいってアンタ……わかるようなわからないような……いややっぱりぜんぜんわからんけど……。
さて、そんな感じで「雷」をはじめ、何をやっても通じない真田は次第にイライラを募らせていきます。
「キサマごときに言われなくともあの程度で俺の精神力は揺るがん!!」というセリフの
説得力のなさときたら……。
次第に追い詰められていく真田・亜久津ペア。さらにここで高校生ペアがダメ押しとばかりにとった戦略は、驚くべきものでした。
!?
なんと、種ヶ島先輩が自分のラケットを相方の大曲に渡し、
大曲が一人でラケットを2本使い始めたのです。
……。
いやいやいやいやいや……。
いいですか。
一応念の為に言っておきますけども、
テニスでラケットを2本使うのは、まぁ100歩譲っていいとしましょう。ルール的にどうなのかは知らないけど、というか
考えたこともなかったけど、とりあえずそれは問題ないとしましょう。
でも、ボールは1つだよ?
……あれっ?
僕おかしいこと言ってませんよね?
なんというか、
ここまで
自信たっぷりな顔を見せられると、
"もしかして間違っているのは僕の方なのではないか、ラケットを両手に持つことには何か大きなメリットがあるのではないか"……と心配になってくるんですよね。
なんだろう……どっちにボールがきてもフォアハンドで打てるとか、そういうこと……? いやでも今さらテニプリで
「バックハンドが苦手なら、両手にラケットを持てばどっちもフォアハンドだぜ!」とか、そんな
一休さんのトンチみたいな技は出てこないだろうし……。
うーん、やっぱりわからん!
あと、この二刀流に対するギャラリーの反応が、
「凄えーっ 二刀流の乱れ打ちだ!!」
と、普通に感心していたので、やはり先ほどの
読者とギャラリーの心が一体になった瞬間はマグレだったことがわかりました。
さらに言わせていただくと、
編集の煽りも相変わらずキレッキレです。
……かつてテニプリで
「1人なんだけど、分身して2人になったからダブルスである」という
哲学的な問いかけがなされましたが、改めて僕らはもう一度
「ダブルス」とは何なのかという点について真剣に議論する必要があるなと思いました。
ともあれ、そんな感じで大曲先輩の二刀流に翻弄されっぱなしの亜久津・真田ペア。中でもしびれを切らしたのは真田で、ついにイライラが爆発。周りが見えなくなってしまった真田が振りぬいたラケットは……
亜久津の顔面にクリティカルヒット。
亜久津といえば怪物と恐れられ、
「殺し合いはコート内のみでやる」というテニプリのルールを唯一破る男……これはヤバイ……血を見るぞ……。
と、ひやりとしたものの、なんと亜久津はここでグッと我慢。かつてのような粗暴さはなくなり、精神的にも大人になったのでした。
と思ったら、
真田の「俺を殴れ!!」に、
全力で腹キック!
……ま、まぁこれは本編をご覧いただければわかる通り、肩の力が入った真田の目を覚まさせるための一撃だったわけですけども……。
なんか、ラケットとボール以外の直接攻撃を見慣れていないせいか、こういうシーンはビクッとしちゃうんですよね……
ラケットとボールによる肉体破壊なら日常茶飯事なんですけどねテニプリは……。
ということで、二人が結束を取り戻し、さぁ反撃開始! というところで、来月に続きます。
次号も楽しみですね!
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