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プロフィール
マルコ
ライターとして生計を立てていますが、これほどの敗北感と嫉妬を感じたのは久々です。
モテる女子力を磨くための4つの心得「オムライスを食べられない女をアピールせよ」等
まずはぜひこちらのリンク先から原文を味わってください。
……原文はどこを切り取ってもすごいので全文引用したいのですが、それはさすがにアレなのでとくに気になる部分を抜き出していきたいと思います。
※強調部分は僕がつけたものです。
こんにちは、恋愛マネジメントを専攻しているエビオス嬢です。私は学歴も知識もありませんしブスですが、恋愛に関してはプロフェッショナル。今回は、モテる女子力を磨くための4つの心得を皆さんにお教えしたいと思います。 |
……出だしからいきなりこれです。
ライター名がエビオス錠(胃もたれなどに効くらしい医薬部外品。が、ネットでは飲むと精液の量が増える薬として有名)をもじった“エビオス嬢”という時点でなんかもう色々アレな感じですが、さらに「ブス」というインパクト抜群の言葉を仮にも公のメディア記事にチョイスするセンスで読者を一気に惹きつけています。
そしてここからは「女子力をアップさせる4つの心得」に移っていくわけですが、その4つとは……
1. あえて2〜3世代前のケータイを飲み会に持っていく 2. Twitterで><を使うとモテる 3. とりあえず男には「えー! なにそれ!? 知りたい知りたーい♪」と言っておく 4. レストランではオムライスを食べられない女をアピールせよ |
はっきり言って、この4項目はそんなにおかしなことは書いていません。いや、まあ4番のオムライスがちょっと異彩を放ってはいますが、こういう「モテるコツはブリッ子すること」みたいな記事はわりとそこらへんで量産されています。
この記事がすごいのはここからで、たとえば1の「あえて2〜3世代前のケータイを飲み会に持っていく」については、こんな風に書かれています。
あえて2〜3世代前のケータイを使うようにしましょう。そして飲み会の場で好みの男がいたら話しかけ、わざとらしくケータイを出していじってみましょう。そして「あ〜ん! このケータイ本当にマジでチョームカつくんですけどぉぉお〜!」と言って、男に「どうしたの?」と言わせましょう。言わせたらもう大成功。「ケータイとか詳しくなくてぇ〜! ずっとコレ使ってるんですけどぉ〜! 使いにくいんですぅ〜! ぷんぷくり〜ん(怒)」と言いましょう。だいたいの男は新しいケータイを持ちたがる習性があるので、古かったとしても1世代前のケータイを使っているはずです。 |
「マジでチョームカつくんですけどぉぉお〜!」「ぷんぷくり〜ん(怒)」あたりからほとばしる狂気と得体の知れない怨念、そして露骨な悪意がこの記事を一気に非凡なものに押し上げていることがわかります。
さらに3の「とりあえず男には「えー! なにそれ!? 知りたい知りたーい♪」と言っておく」は、ギャグにしか思えない文章でごまかされそうになりますが、実は世の真理を鋭く突いた内容となっています。
飲み会などで男が女性に話すことといえば自慢話や趣味の話ばかり。よって、女性にとってどうでもいい話ばかりです。 |
「メモメモ!」や「キュンキュンキュン!」にどうしてもツッコミを入れたくなってしまいますが、恐ろしいのは内容そのものはそれほど間違ったことを言っていないということ。飲み会での男の話はたしかに自慢話が多いので、話の内容は適当に聞き流しつつ適切なタイミングで「なるほどー」と「えーすごーい」を連呼するだけで乗り切るのがセオリーですが、「メモメモ!」も「なるほどー」も意味のない相づちという意味では同じです。要するに、飲み会で女性の「なるほどー」に騙される男は「メモメモ!」をバカにできないということです。
そして極め付きは4の「レストランではオムライスを食べられない女をアピールせよ」の解説で、筆者の類い稀なる言語センスが一気に大ブレイク。
男とレストランに入ったら、真っ先にオムライスなどの卵を使った料理を探して「あーん! 私これ食べられないんですよねぇ〜(悲)」と言いましょう。するとほぼ100パーセント「どうして? 嫌いなの?」と聞かれるので、「嫌いじゃないし食べたいけど食べられないんですっ><」と返答しましょう。ここでまた100パーセント「嫌いじゃないのにどうして食べられないの?」と聞かれるので、うつむいて3〜5秒ほど間をおいてからボソッとこう言います。「……だって、……だって、卵割ったらヒヨコが死んじゃうじゃないですかぁっ! 赤ちゃんかわいそうですぅ! まだ生まれてないのにぃぃ〜(悲)。ピヨピヨとすら鳴けないんですよ……」と身を震わせて言うのです。 |
まさに天才の仕事としか言えません。
この記事へのネットでのリアクションで、「こんな文章で金もらえるなんて楽な仕事だな」というコメントをちらほら見かけたのですが、そんなことはないです。これぞプロのエンターテイナーですよ。どう書けば釣れるのかよくわかっていらっしゃる。
それでも「楽な仕事」だと思う方は、ぜひ同じテーマでこれ以上に爆笑できる記事を書き、twitterで原文の34,000回を超えるRT数を達成してみてください。少なくとも僕は無理です。
……と、ここまで書いたところで、むしろ本当にすごいのはこの記事を掲載することにOKを出した編集部なのではないかと思ったのですが、さらにもうちょっと突っ込んで考えると、この記事ですら編集されて多少マイルドになっている可能性もあるわけで、そうなると原文の狂気がどれほどのものだったのか、知りたいような知りたくないような微妙な気分になるのでした。
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