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テニスの王子様は18年でどれだけインフレしたのか

【2012年4月22日】

新テニプリでもっとも不遇なキャラはたぶんこの人だと思う




だいぶ遅くなってしまいましたが、ジャンプSQより今月の新テニスの王子様をレビューしていきます。

1ヶ月経つと記憶も薄らいでくると思うので、ざっとここまでの流れをおさらいしておくと、現在行われている対戦は、


跡部・手塚(手塚の正体は仁王)ペアと、


毛利・越知ペアによるダブルス対決。

ほぼ互角の争いを繰り広げていた両者でしたが、ここへきて越智先輩が、

跡部にガンを飛ばすと、


なぜか跡部がその後、ダブルフォールトを連発し始めたのでした。

ちなみに「ダブルフォールト」とは、サーブを2回連続で失敗してしまうこと。テニスのルールではサーブを2回失敗すると相手の得点になってしまいます(1回まではセーフ)。

もちろんプロでもダブルフォールトすることはありますが、まさかテニプリが始まってから13年目の今になってそんなテニスっぽい場面が出てくるなんて……一応ちゃんとルールが生きていたことに驚きを禁じ得ません。

さて、そんな跡部は今月号でも相変わらずのようで、

ミスを連発し、結局チャンスをものにできず、タイブレークを迎えてしまいます。タイブレークというのは要するにサドンデスです。

ところで今月号の煽りが、

「王国(キングダム)が崩壊する…」と何とも悲壮感漂う感じになっており、相変わらず編集もノリノリなのですが、よく考えると別にそんな大げさなものではなくて、わかりやすくいうと跡部が相手のプレッシャーにびびってミスしているだけのことであり、リアル中学生の大会では比較的よく見る場面です。


……この跡部の現状を鬼先輩が的確に分析。

鬼先輩の言っていることは先ほど書いたこととだいたい同じなのでいいとして、それよりも鬼先輩、長台詞の中に「からの〜」みたいなギャグなんだかそういうしゃべり方なんだかよくわからない要素を混ぜてくるの、拾いにくいんでやめてもらっていいですか。


……さて、鬼先輩がひと笑いとっている間に跡部・仁王ペアはどんどん追いつめられていきます。

もはや単なるお荷物となってしまった跡部でしたが、ここで相方の仁王が奮起。


手塚の必殺技「手塚ファントム」をもコピーし、打球をすべてコート外へと弾き出し始めます。

そんなことできるなら無敵じゃねーか! と思うかもしれませんが、テニプリではたいていこういう反則クラスの必殺技には「腕を壊す」というリスクがつきものです。

それゆえに仁王の腕もまた、悲鳴を上げ始めるのですが……。


しかし、そんな苦境にも屈しない仁王。

これまでの仁王はどちらかといえばクールでとらえどころがなく、あまり仲間のためにがんばる感じのキャラではなかったのですが、やはりライバルたちとの戦いや合宿を経て精神的にも成長したということなのでしょう。


……しかしそんな仁王を見たチームメイトの真田は、

仁王の精神力はイリュージョンで手塚のそれをコピーしたものである、とバッサリ。

いやいやちょっと待ってあげて真田さん!


どう考えてもこれは仁王本人のがんばりであって、別にイリュージョンで真似たわけじゃないと思いますよ! たしかに「手塚なら」とか言ってるけど、このセリフはそういうことじゃないですよ!


……これもコピー能力者の不遇ってやつなんですかね……。


そんなこんなで一人気を吐く仁王でしたが、ついに腕に限界が訪れます。



眼力技の「スケスケだぜ!」で仁王の肘がヤバイということをいち早く察知した跡部でしたが、制止するのが間に合わず、そのまま仁王はコートに倒れ込んでしまいます。

……腕は壊れ、努力してもイリュージョン扱いされ、そもそもイリュージョンの特性上、別のキャラの代用として使われる……ひょっとして仁王はテニプリ史上最高に不遇な男なのかもしれないと思いました。


ともあれ、仁王はリタイアし、一人になってしまった跡部。

普通ならこの時点で仁王は病院へ運ばれ、試合は中止になるところですが、テニプリの場合、ダブルスで一人いなくなったくらいでは試合は終わりません

「あと一人残ってるからできるじゃん」という非常にポジティブな考え方により、試合は続行されるのです。

しかし、当然2対1では勝負になるはずもなく、さらに跡部は追いつめられていきます。

そんな跡部を見た樺地が加勢に入ろうとしますが、


「試合中の加勢は失格として合宿所に居れなくなるぞぉ――っ!!」と引き留められます。

……いや、テニスの試合で外部から加勢に入るって、それもう「合宿所にいられなくなるからダメ」とかそういう問題ではなくて、そもそもテニスのルール的にありえないと思うんですけど……。


しかし、跡部の忠実なしもべである樺地はこの状況に我慢できず……。


コートに入って打球を打ち返してしまいます。

当然、このポイントは無効のはずなのですが……


主人思いの樺地に心打たれた(?)のか、「今のポイントだけは有効でいい」と認める越知先輩。


……跡部がダブルフォールトを連発したときは「久しぶりにテニスっぽい展開きた!」と思ったのですが、ふたを開けてみればやっぱりテニプリはテニプリのルールで動いていたようです。

結局、この行為により合宿から追い出されることになった樺地。

となれば来月は樺地を失って発憤する跡部に期待したいところですね。


……と思ったら次号は休載らしいので、次は6月ということになります。1ヶ月は長いです許斐先生……。


【お知らせ】
4月25日(水)23時より、FM西東京のラジオ番組「Nちゃんねる(仮)」にて「今月のテニプリについて語るコーナー」がスタートします。僕も出演しますのでお時間ある方はぜひ聴いてみてください。なお番組はネットでも同時放送されます。

こちらのページから「FM西東京」を探してクリックしていただければ聴けると思います。スマートフォンならTuneIn Radioというアプリで聴くことができます。


関連記事:今月の新テニプリで、コピー能力者がコピー能力者をコピーするというややこしい事案が発生




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