【2013年4月12日】
世界一美しい町チェスキー・クルムロフに行ったら、危うく帰れなくなるところだった話。
年末にドイツ・チェコを弟と二人旅してきたわけですが、そのときの話を1月に書きました。
クリスマスに弟と二人でドイツの町をさまよった話
で、最後に「続く」と書いたにも関わらず、
気づくと4月……もういいかなとか思いつつも、せっかく写真も撮ってきたことだし、続きを書いていこうと思います。
今回はドイツからチェコに移動した後のお話です。
この旅の最大の目的の一つ、それは
チェスキー・クルムロフというチェコの町を訪れることでした。
チェスキー・クルムロフはチェコ・南ボヘミア州に位置する小さな町で、非常に景観が美しいことで知られています。日帰りするにはプラハからやや遠いのと、人気の観光地なのでバスのチケットがなかなか取れないのが難点。
そこで僕と弟の二人、人呼んで"行き当たりばったりーズ"がとった作戦は、
チェスキー・クルムロフに向かうバスの往復チケットを前日のうちに購入しておくというものでした。
ところがドイツからプラハへと向かう電車が
謎のトラブルで数時間立ち往生したせいで到着が夜中になってしまい、結局当日の早朝にプラハ―チェスキー・クルムロフ間の往復バスチケット購入を試みることに。
……が、あまりの人気で当日
帰りのチケットだけが取れないという事態に陥ってしまいました。
なぜ帰りのチケットだけ取れないのかというと、行きは早朝から午後くらいまで何本もバスが出ているので観光客が分散するのに対し、
帰りはみんな夕方か夜に帰ろうとするので混みあうのですね。一応お昼のバスは空いてたけど、それは前日から現地に宿泊している人向けでしょう……。
ここで、予定を変更するかどうか判断を迫られた僕は、慎重派の弟に対してこう言い放ちました。
「まぁ……帰りは帰りで何とかなるっしょ! 何か考えとくわ兄として!」
思えばこの判断が、
後の危機を招くことになったのでした……。
ということでさっそく
行きのチケットのみを握りしめて、チェスキー・クルムロフへと出発! 所要時間はだいたい3時間くらいです。
ちなみにチェコでは、英語があまり通じません。いつもの旅では言葉が必要なときは英語が話せる弟にすべてを任せて、
僕は後ろの方で会話を理解しているふりをしながらデンと構えているわけですが、今回はそれもできない。何かあったらここは兄として一肌脱がねば……。
そんなことを考えながら座席で寝ているうちに、バスはいよいよチェスキー・クルムロフへと到着しました。
目の前に広がっていた景色は……。
うおおおお!
これこれ! こういうファンタジーの世界に出てきそうな景色! これを生で見たかったのよ!
チェスキー・クルムロフ自体はさほど大きな町ではなく、ちょっと歩くだけで全部見て回ることができます。なのでホテルもあるけど、僕らのように日帰りの観光客も多いみたい。
……とはいえ、やはりメジャーな観光地だけあって生活感は乏しく、多少作られた感があるのは仕方ないところ。いや、建物はちゃんと古いんですけどね。
もともとチェスキー・クルムロフ自体は13世紀頃に建設された町だったのですが、その後いろいろあって戦後は一時期無人に近い状態になるほど荒廃したこともあったそう。今のような美しさを取り戻したのは、わりと最近のことなのです。
町の雰囲気は絶品です。
何気ない街角でさえ絵になる。
こういう観光地に微妙な看板が置いてあるのはどの国でも一緒なのか。
ヨーロッパは石畳が多くて靴への負担がすごい。あと何やら石に名前が彫ってあるのは、たぶん寄附したら名前を残してくれる的なアレなんじゃないかと思う(未確認)。
何事かと思ったら、黄色いタクシー。すごく目立つ。
お城もあります。クルムロフ城。
……なんだけど、年末だったからか中はどこも開いてなくて入れなかった……何しにきたんや……。
面白かったのがこれ。お城の中庭(?)っぽい場所なんですが、パッと見は石造りの壁に思えます。
が、実はこの壁、漆喰の壁に描かれた
絵なのです。どういうことかというと、「本物を造るお金はないけど、何とかお城をかっこよく見せたい!」ということでこうなったのだとか……
気持ちはわからないでもないです。
良い感じのレストランで食事。チェコ料理をいただきます。メニューに英語がなかったので何が何やらさっぱりわからず、適当にチョイスしたらこれが出てきました。
で、これ、
焼き鳥っぽい料理の大きさで判断すると少なそうに見えますが、実際はこの肉、めっちゃデカいですからね……大人の腕くらいあるからね……。
できたての熱々ポテトチップスに群がる観光客たち。
そんな感じでぶらぶらしているうちにだんだん日も落ちてきたので、そろそろ帰ることに。
すると弟が、こう訪ねてくるじゃないですか。
弟「で、どうやって帰るん?」
……。
……考えてなかったわ……。
→続きます
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