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【2013年11月15日】

愛媛のみかん農家の息子が、東京で故郷の味に出会う。[その2]



前のページからの続きです。


果たして愛媛物産展で買い込んだみかんジュースの中に実家の味があるのか……。

とりあえず実家で飲んでいたジュースはストレートだったので、手前の濃縮還元チームは飲む前から別物だとわかります。これはあとで飲むとして……。

まずは、



これ! 見かけたときから気になっていた「みかんヌーボー」(2,100円)から!



パッケージがすごくオシャレです。ちなみにみかんヌーボーとは、ワインのボジョレーヌーボーと同じで、その年もっとも早く採れた若い温州みかんを搾って作られたものなのだとか。ではさっそく飲んでみましょう!



いい色! そういえばおじいちゃんのみかんジュースもこういうビンに入っていたなぁ。売り物じゃないからラベルとか一切貼ってなかったけど……。



いただきます。



……んん?

うーん……。

おいしい。


おいしいんだけど、なんか違う。これは実家の味じゃない。すごくさっぱりしていて、よくいえば爽やか。悪く言えば薄味。柑橘ならではの酸味と苦味がけっこう効いていて、なるほど、若いみかんというのも納得の味です。


よし、次行くか……。



続いては同じ「TEN」ブランドの「温州」(2,625円)。今回購入した中で一番高かった。足成産の温州みかんを使っていて、ヌーボーと違うのは熟成させているということ。さて、お味の方は……。



……うーーーーーーん……。

これもおいしい。甘くて、たしかに熟成させた感じの濃厚な味わい。凝縮された温州みかんの風味は絶品です。

ただ……おいしいんだけど……実家の味とは何かが違う。なんだろう……ヌーボーよりは近いんだけど……。


次行くか。



またまた「TEN」ブランド。「はれひめ」(2,100円)です。

ていうか今気づいたけど、これ注いでる写真も飲んでる写真も全部同じに見えるじゃん! せっかく撮ったのに意味ないぞこれ。



……あっ、違う。

もうね、ぜんぜん違う。実家の味とはまったく別物。柑橘ならではの苦味がはるかに強くて、甘みがさわやか。でもヌーボーよりもコクがあって、独特ですわ。好きな人にはハマりそうだけど、好みは分かれそうかな?

このへんでだんだん飲んだ感想を忘れそうになってきたので、iPhoneにメモしながら飲み進めることにしました。


次。

「清美ジュース」(600円)。

「清美タンゴール」というぜんぜん聞いたことのない品種のジュースで、調べてみたところ、温州みかんとトロビタオレンジを交配させたものなのだとか。へー!

……ってことは実家の味じゃないな。うち、清美タンゴール作ってなかったし……。

飲む前から結果がわかってしまったけど、とりあえず飲む。


おー! おいしいじゃないか。

濃厚で、あとから柑橘の強い香りが追いかけてくるような豊かな風味。熟しきっていない若いみかんに近い苦味がありますな。でもまぁ、やっぱり実家の味じゃないな……。


このへんで、本当に実家の味に再会できるのか心配になってきました。企画倒れじゃないのこれ。


気を取り直して次。



次は「温州みかんジュース」(500円)。そのままの名前や!

西宇和産ということで、地元とはちょっと違うんだけど、なんか一番安心するパッケージと品名だなぁ。

さっそく飲んでみます。


……ん?



んんん? これは……。

とにかく甘くて、とろっとした濃厚さがあって、最後にほんの一瞬苦味が口に広がってくるこの感じ……。


近い……。


かなり近い気がする……


気がする……が……うーん、何か微妙に違う気も……


わからん!


というか、そもそも10年以上前に飲んだきりのおじいちゃんのみかんジュースの味を自分の舌が覚えているのか不安になってきました


何となくかすかに記憶に残っているはずなんだけど……。


うーん。じゃあ次、いってみますか。そろそろお腹がたぷたぷなんだけど。



お次は「きわみ」(1,260円)。濱田農園の温州みかん無添加100%ジュースです。これだけふたが王冠だったり、立派な箱入りだったりと、やたらと豪華でした。



さて、一口。


……。




!!!!!!!!!


これだーーーーーーーー!!!!!!



これだよ!!!!!



おじいちゃん……! いや、おじいちゃんが作ってるんじゃないけど! 作ってらっしゃるのは濱田農園だけど! でもこれです! 限りなくこれ!


もうね、飲んだ瞬間、脳の中に「ふるさと」が流れたからね。「みーかーん、つーみしー、あのやーまー♪」っていう歌詞が流れたからね。ビビビッときた。覚えてた。いや、忘れかけてたんだけど、飲んだ瞬間思い出した。味覚ってすごいな! そりゃ結婚した男が味噌汁がどうのこうのってめんどくさいこと言い出すはずだわ。僕の場合は味噌汁はどうでもいいんだけど、みかんジュースは譲れないかもしれない。

おっと、興奮しすぎて味の説明を忘れていました。

「きわみ」は甘みが強いんだけどクドくはない。甘いんだけど、苦味や酸味もほんのりあって、そのバランスが絶妙。他の尖った味のジュースに比べると比較的ふつうの味ではあるんだけど、なんていうかこう、いくらでも飲める安心できる味なんですよね。


しかも偶然にもラストにこれを選ぶとか、できすぎてるな今回。


「おじいちゃん……」


……と、ここでふと思ったことがありまして


それは、同じ家で生まれ育ったうちの妹に同じことをやらせたら、果たして妹は何を実家の味として選ぶのかということです。


同じ「きわみ」を選んだらOK……しかし別のを選んでしまったら……家族崩壊の危機ですよこれは!


ちょうど妹が遊びにきたので、さっそく飲ませてみることにしました。


→続きます





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※2001年9月から2008年12月のアーカイブは一部を残して非公開です。

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