【2013年12月29日】
今月のテニプリが普通に泣ける話になっていて驚いたけど、最後まで読んだらやっぱりいつものテニプリでした。
だいぶ遅くなりましたが、今月のテニプリレビューをやっていきますよ! 今月号は前半に
今までのテニプリとまったく別路線のイイ話が展開されていて、
「あれ、許斐先生、違う漫画を連載し始めたのかな」って思ってしまったけど、
後半はちゃんといつものテニプリに戻るという二段構えの充実した内容でした!
"ちょっといい話"の方は特にツッコミどころがないため、さらっとしか紹介しませんので、ぜひジャンプSQ本誌で読んでください。……12月4日発売号なんでもうないかもしれんけど……。
ってことで間が開いたので前回のおさらいから!
現在のテニプリは、週刊少年ジャンプ時代からの旧テニプリメンバー(+高校生の一部メンバー)と、新テニプリから登場した高校生の海外選抜メンバーがレギュラーの座をかけた団体戦のまっただ中。
すでに第5戦まで終了しており、
海外選抜組が4勝1敗と中学生メンバーを圧倒しています。対抗戦は残り2戦を残すのみとなっており、全体で見ればすでに海外選抜組の勝ち越しが決定している状況。
「なんだかんだ言っても最後は主人公側が勝ち越すんでしょ」という安易な発想をあっさり裏切る許斐先生、さすがです。
そしていよいよ、今月号から残り2試合が始まるわけですが、そのうちのひとつ、主人公のリョーマ VS リョーガの兄弟対決は、コート外で
リョーガがリョーマに必殺技の特訓をするというよくわからない状況になっており、一向に始まる気配がありません。
※2013年11月発売号より
仕方なく(?)、最終の第7戦である
平等院 VS 徳川の対決が始まろうとしているところから、今月号はスタートしています。
ということで今月号の表紙。あまりにも出番がなさすぎて、
そろそろ読者の皆さんも徳川さんのことを忘れているんじゃないかと思いますので、しっかりお顔を確認しておきましょう。手前のクールな黒髪イケメンが徳川さんで、後ろで
悪魔のような笑い顔になっているヒゲが平等院さんです。……
いちおう高校生です。
強豪同士の対決、いったいどんな感じで始まるのかと思ったら……。
「徳川…殺るぞ」
いきなりこれですよ。
「殺る」と書いて「やる」と読ませるのは漫画ではよく見る手法ですが、それは
あくまでバトル漫画とかの話です。
……まぁでもテニプリの場合、そろそろ
「試合」を「死合」と書いても不思議ではない領域に達していますので、今さら
「殺る」と書いて「やる」と読ませるくらいでは騒げないのですが。
そんなこんなで高校生同士の頂上決戦が開始されようとしている頃、リョーガはかつてリョーマと一緒に暮らしていたときのことを思い返していました。
そう、ここからは
リョーマとリョーガがいかにして出会い、そして離れ離れになったのかを描く「過去編」が始まるのです。
……ですが、
過去編は普通に良い話で特に言うことはないので、ここではさらっと取り上げるだけにしておきます。気になる方はぜひ本誌でご覧ください。
舞台は、リョーマが幼少期を過ごした
アメリカへ移ります――。
現在からは考えられないほど愛くるしく、素直な子どもだったリョーマ。
オーバーオールの片側を外すという高度な萌えテクを駆使して読者をキュンキュンさせてきます。そういえば週刊少年ジャンプでの連載時にも、リョーマが記憶喪失になって急に素直な性格になったことがありましたね。案外、こっちが素なのかもしれません。
そんなリョーマを引き取ったのはご存知、"サムライ南次郎"の通称を持つ元プロテニスプレーヤーの越前南次郎。
人見知りするリョーマを見た南次郎は、
「そうだ テニスをやれ……テニスに言葉いらねえ」と、二人にテニスを始めさせたのでした。なお、「越前南次郎流子育て術…!!」という気合の入ったアオリが入っていますが、子どもにテニスをやらせること自体は
そんなにオリジナリティがある子育て術でもないと思いました。
そんな風にして出会ったリョーガとリョーマですが、二人はテニスを通して絆を育んでいきます。
ダルメシアンに追いかけられたり、
ピザやステーキに舌鼓を打ったり、
コスプレをしてハロウィーンを楽しんだりと、まさに
テンプレート通りのアメリカ生活を謳歌する二人。
しかし、そんな二人にとって
突然の別れがやってくるのでした……。
このあたりは
「えっ、これテニプリ?」と戸惑ってしまうくらいに涙を誘うお話でしたので、
本レビューでは飛ばします。
そして、長かった回想が終わり、時は現在へと戻ってきました。
幼少期に出会い、引き裂かれた兄弟がついに再会を果たしたのです。
うーん、良い話でした!
こういう良い話で年末を締めくくるのも悪くないですね!
……そんなことを考えながらページをめくると、
!!!!!!
何なんですかもう! 良い感じの回想シーンのすぐ後に
テニスボールで逆さまに吹っ飛ぶヒゲを見開きで持ってくるのはいくらなんでも卑怯ですよ!
さらにですよ、吹っ飛んだ後の平等院さんの一言が、
「大海原を小舟で漕ぎ出すかよ」
どんなボキャブラリーだ。
要するに「俺に挑戦するとはいい度胸だ」ということが言いたいのでしょうけど、そのセリフ、
絶対事前に用意してたよね。出ない。とっさにその比喩は出ない。
あ、でも、
※2013年2月発売号より
以前、平等院さんの過去編が語られたことがあったのですが、そのときに
「ザ・スネーク・チャーマー・オブ・インディア」という中二病丸出しの技を不思議な動きと共に繰り出して、しかもあっさり鬼先輩に返されて敗北した平等院さんなら「大海原を小舟で漕ぎ出すかよ」くらいのセリフはとっさに言えるのかもしれません。
そんな感じで、
おそらく最強であるはずなのにここまでまったくいいところなしの平等院さんですが、来月以降はいよいよ真の力を見せてくれるのでしょうか。
そして、何となく流れつつあるリョーガ VS リョーマの対決はどうなってしまうのか。引き続き注目ですね!
【告知】
2014年1月19日(日)に、お台場のイベントスペース「東京カルチャーカルチャー」にてトークイベントを開催します。現在チケット発売中です。残り少なくなってきたらしいのでお早めに! 詳細はこちらから! |
関連記事:今月のテニスの王子様が「あっちむいてホイの王子様」でした。何を言ってるかわからないと思いますが、僕もです。
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