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マルコ
夏だ! 海だ! BL帯だ!
……ということでご無沙汰でしたが、今回もBL帯レビューをやっていこうかと思います。
簡単に説明しておくと、BL帯とはBL(ボーイズラブ)と呼ばれるジャンルの本に付いている"帯"のことで、当サイトではその中からこれは! と思う帯を厳選して紹介しています。
先日、BL帯の紹介を当サイトで初めてから丸9年が経つという事実に気づいて愕然としましたが、今後も気にせずやっていこうかと思いますよ!
ところで皆さん、唐突ですが、モンハンことモンスターハンターは好きですか? 僕は大好きです。友だちと一緒にプレイするのが楽しくて楽しくて、今でもゲーム機を持ち寄っては遊んでいます。
そんなモンハンには「一狩り行こうぜ!!」というおなじみの掛け声があるのですが、
これがBL帯だったらどうなるかというと、
「一発ヤろうぜ!!」
……ということで、モンハンもBL帯も勢いが大事。緑山ヨウコ先生が描くインテリ系元ヤン×熱血元ヤン ガチンコラブバトル「ヤンキーと恋わずらい」のご紹介でございます。
この場合の「ヤろうぜ」はもう誰がどう見てもアレしかないだろうと思われると思いますが、よーくご覧ください。
「ケンカを」と大きな吹き出しでわざわざ注釈が入っています。そうです、ヤるのはケンカです。決してあんなことやこんなことではありません。勘違いした方、いるんじゃないですか!?
僕です。
……さあ、どんどん紹介していきますよ!
続いてはこちら!
「これは嫁同士のタイマンだから。」
これも本屋さんで見つけて、ワクワクが止まらなかった一冊です。まず「嫁同士のタイマン」という表現がそのまま昼ドラのサブタイトルにできそうですごくキャッチー。
しかもBLの場合「嫁=男」が基本路線なので、素直に「女同士のバトル」という意味にはならず、さらに話がややこしい。「男 VS 女」かもしれないし、ひょっとするとタイマンの相手の"嫁"も男かもしれませんからね! ……えっと、そうなると「嫁同士のタイマン」とはつまり、「男同士の殴り合い」という意味になるのでしょうか。
一応、帯には小さく「『女』から真っ向勝負を挑まれ…」とあるので、「男 VS 女」なのだろうとは思うのですが、「嫁」が男だというなら、この「女」だって実は「男」である可能性も捨て切れないんじゃないかと思うのですよ僕は。
……だんだん自分で書いていて混乱してきましたが、さて実際のところはどうなのか。嫁は男なのか女なのか。答えは皆さん自身で確かめてみてください!
さあ、嫁の性別で右往左往したところで、続いてはこれ!
「花婿にも花嫁にも、なるわけないだろ!?」
「花婿になるか、あるいは花嫁になるか」という二択は通常ありえないと思うのですが、そのありえないはずの選択肢が成立してしまうのがBLのすごいところ。
先ほどの「嫁同士のタイマン」もそうですが、「嫁」という単語に対してどれだけ柔軟になれるかがBL帯を読み解くカギになりそうです。
……一方で、柔軟とは真逆に、ストレートど真ん中で勝負するBL帯もピックアップしてみましょうか。
「先生、オレの性欲処理係になる?」
どんな誘いだ!
そんな「シャーペン貸して?」くらいのノリで確認することじゃないし、見た感じ高校生っぽいのに「性欲処理係」っていう言い回しとか随分こなれてて最近のティーン怖いなって思いました。
……いかん、ちょっと直球すぎたので、変化球に戻しますかね。
「おや、今回もご乗車ですか? ありがとうございます。」
ということで、こちらの帯。これがBLじゃなくて鉄道雑誌とか西村京太郎の小説に出てくるセリフなら「ご乗車」は正しく「ご乗車」なのでしょうけど、そこはBLなので、分厚いフィルターを通して考えなければなりません。
……そうやって自らの魂と対話した末に導き出した答えは「ご乗車=騎j(※自粛)の比喩ではないか」というものだったのですが、冷静になってみると考え過ぎの可能性が高いと思いましたので、ちょっとこれから「ご乗車」の意味がどっちなのかを読んで確かめてみようと思います。
と、その前に次はこちらの帯。
「芸術的な下半身に不能の危機――!?」
本来、決してつながらないと思われる二つの単語、「芸術的」と「下半身」が奇跡の融合。さらに後半の「不能の危機――!?」からただよう妙な緊張感も手伝って、どこを切り取っても面白いという非常に完成度の高い帯となっています。これぞBLならではのケミストリー。
というか、"芸術的な下半身"ってどんな下半身なんだろう……よく見ると帯には「絶世の美チン」とか書かれてあるのですが、これまでの人生においてチンコの美しさについて真剣に考えたことが一度もなかったので、この作品を機に何かまた新しい扉が開けそうです。
次はちょっとほんわかしたやつを。
「関西弁で喘ぐのやめてください」「なんやて――!!」
東京の言葉を嫌う関西人や、関西の言葉を嫌う東京都民はたまに見かけますが、まさか喘ぎ声にまで東西の対立が発生するとは……いいですね、この理不尽すぎる要求。
ちなみに、喘ぎ声に方言とかあるの? と思ってページをめくってみたところ、「アカン……アカンて……」でした。かわいいじゃないか。
「食事のあと、きみをもう一度味わおう」
最後はデザートということでこちらの帯を紹介して終わりたいと思います。
この場合、何をどういう意味で"味わう"のかは皆さんのご想像通りですが、ここまで「性欲処理係になる?」や「一発ヤろうぜ!!」などの直球勝負を見てきた後ですので、これはこれで何かすごくエレガントな誘い方に思えてくるから不思議です。
皆さんもぜひ実生活でお使いください。
それではまた!
←※帯を紹介したのは2巻です
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