【2016年4月14日】
想像もしなかった出来事が自分の身に起きたとき、人はどんな行動をとるのか
みなさん、
想像もしなかった出来事が自分の身に起きたとき、人はどんな行動をとるのか、知りたくありませんか?
実は僕、先日見てしまったんですよね……。
まさに、
想像もしなかった出来事が自分に身に起きてしまった人を!
そのときの話をしようと思うのですが、言葉でうまく表現できるかわからないので、イラストにしてみました。
――その日は、平日の午後。打ち合わせへと移動していた僕は、とある大きなターミナル駅の階段を降りていました。
その階段はかなり幅があるタイプで、時間帯的にそれほど混んでもいなかったので、誰もが余裕をもってゆっくりと歩いていました。今思えば、これが
不幸中の幸いだったわけですが……。
階段を下り始めたとき、僕はふと前にいた一人の女性に気づきました。
年齢は20歳前後でしょうか。かわいらしい服装をしており、ヒールの高い靴をはいて、大きなトランクを引いたまま階段を下りていました。
これがですね、
めちゃくちゃ危なっかしい下り方だったんです。
普通、こういうときって、トランクを持ち上げた状態で下りますよね。
でもこの女性、たぶんトランクが重すぎて持ち上がらなかったんだと思うんですけど、
トランクを
ガコンッ、ガコンッと引きずるようにして階段を下りていたんですよね。
つまり横からみると、
こう。
言うまでもなくものすごく危ないです。斜めにトランクを滑らせているので、重心は思い切り前に向かってかかっています。手を離すと前に向かって転がってしまう恐れがあります。
ちょっとこれ、大丈夫なのか?
と思った次の瞬間!
トランクが階段に引っかかってしまい、重心のバランスが崩れてしまいました。トランクが下りようとする力はそのままなので、いわば
自転車の前ブレーキだけ踏んでしまった状態です。
このとき、手を離せばまだトランクが転がるだけですんだのですが(いや、それもまずいけど)、たぶん
「やばいっ! 引き戻さないと!」と思ったのでしょうね、女性はトランクから手を離しませんでした。
その結果、ブレーキがかかったトランクはハンドル部分から前に向かって倒れ――
当然、ハンドルから手を離さなかった女性もトランクに引っ張られてそのまま前に向かって倒れ――
僕の視点からですと、ちょうど
「空に向かって飛び立つヒーロー」みたいな格好で階段を滑り落ちていきました。
長い人生で階段から落ちる人に出くわしたことは何度かありますが(というか僕も落ちたことある)、だいたい階段から落ちるときっていうのは足を踏み外したときなので、尻もちをついてそのまま滑るか、横向きに倒れてゴロゴロ転がるかのどっちかなんですよね。
前に向かって倒れ、そのまま顔面から直進するという階段落ちを見たのは、このときが初めてです。
あまりにも衝撃的な出来事に階段を下りていた人々も唖然として、一瞬時が止まりました。
どうする? 駅員か、救急車か――。
そんなことを考えたとき、
階段の下まで滑り落ちていった女性がむくっと起き上がりました。
そして次の瞬間――
爆笑し始めたんですよね。
もう、めちゃくちゃ大きな声で。構内に響き渡るほどの声で。
……はい。冒頭で書いた「想像もしなかった出来事が自分の身に起きたとき、人はどんな行動をとるのか」という問いですが、
正解は
「爆笑する」です。
人は
自分の身に想像もしない出来事が起きたとき、笑うのです。ケガして痛かったら泣くのかもしれませんし、誰かのせいで起きた事故なら怒るのかもしれませんが、
そのどちらでもないとき、人は笑うのです。
……どうやら、きれいに(?)滑り落ちたおかげか、大きなケガもなかったようで、その女性はトランクと共に
「ウケるー!」と言いながら駅の外へと消えていきました。
あっけにとられる周囲の人々(僕含む)をその場に残して――。
ところで、今回はたまたま女性の前に誰も歩いていなかったのでよかったのですが、これがもう少し混みあう時間帯だったらシャレにならない事故になっていた可能性もありますので、トランクを運ぶときには無理せずエスカレーターかエレベーターをお使いくださいませ。
しかし、そうか、人は笑うのか……。
……えーと、もし僕が急に笑い出したらそれは「締切になっても原稿が終わらない」ときだと思うので、知人の皆様におかれましては優しいお言葉をかけていただければ幸いです。あ、でもこれ、「容易に想像のつく出来事」だわ。
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