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【2017年5月21日】

これ、何の擬人化かわかる？　いろいろな意味でとんでもないBL漫画を見つけてしまった

夜中、Amazonをふらふらとさまよっていたところ、一冊のBL本を見つけ、ふと手が止まりました。



「窓際の林檎ちゃん」

……なんてことはない普通のBLに見えますが、どこか引っかかるものを感じたので、さっそく購入。

そして今、その本が手元にあるわけですが……。



はい、ということで皆さん、こちらの「窓際の林檎ちゃん」ですが、

実は"あるモノ"を擬人化したBL漫画となっています。

それが何だか、おわかりになるでしょうか？

……。

答えは「帯」に書かれていました。






正解は「Windows」と「Mac」の擬人化です。

ああ〜！　だから「窓」際の「林檎」ちゃんかぁ〜！

これには思わず膝を打ちましたよね。

様々な擬人化BLを読んできましたが、その発想はなかった……というか、その発想はいろいろと大丈夫なのかな、とちょっと心配になってしまいますが、まぁ、でもあくまで「窓際の林檎ちゃん」であって、WindowsとMacだなんて一言も書いていませんからね！　僕が深読みしただけですからね！

よし、さっそく読んでみましょう。



いきなり書いてた。

いやもう、のっけから「MacとWin」って言っちゃってるし！


……気を取り直して、どんな作品かを紹介しましょう。

パソコンを購入するために家電量販店を訪れた主人公は、WindowsにするかMacにするかで悩んでいます。

そんな主人公に量販店の店員は「どっちと一緒に住みたいか……って感じですかねぇ！」と説明。


※P6より

それを聞いた主人公、「一緒に住む」という言葉から同棲を連想し、妄想がスタートするのでした……。

本作は2009年に発売されたBL漫画なので、WindowsもMacも当時の状況を反映したものになっています。

ただ、OSの特徴は今もそれほど大きく変わっていないので、読んでいていて「あるある！」とうなずいてしまう小ネタがたくさん出てきます。


※P10より

たとえば、Windowsを擬人化した窓川ゲイツ（この名前いいの？）は、まじめで律儀、合理的な正確で計算がめっちゃ得意。ただし、身体が丈夫ではなく、気をつけていないとすぐウイルスにやられて寝込んでしまいます。

……そういえば現実でも、Windowsはシェアが多い分、Macにくらべてコンピュータウイルスに弱いといわれていますね。

ひとしきりWindowsとの同棲生活を妄想したところで我に返った主人公は、次にMacとの同棲生活を妄想し始めます。


※P13より

Macを擬人化した林檎田ジョブズ（だからこの名前いいの！？）はルックスは良いものの、ワガママで気分屋、そしてベジタリアン。


※P15より

ファッションにもこだわりがあり、高級な「あどび」ブランドの服が大好きです。

……もうぜんぶツッコんでいたらキリがないので先に進みますが、そうこうしているうちに、


※P14より

弟のPodが42,800円で売られている（！）現場に遭遇。

なんやかんやあって、主人公が買い取って持ち帰ることになります。


※P18より

ちなみにPodはMacと一緒に寝かせるとパワーがみなぎるそうです。うん、知ってた。

それからまた、なんやかんやあって、


※P23より

WindowsとMacの2台持ち、すなわち窓川ゲイツと林檎田ジョブズの二人との同棲を妄想する主人公。

しかし、平穏な日々など訪れるはずもなく、さっそくOS同士の争いが始まってしまいます。

どうやっても仲良くなれないWindowsとMacの二人に、ついに主人公はブチ切れます。


※P27より

「何だよおまえら……同じパソコンだろ？　何で否定し合ったり比べ合ったり出し抜き合ったりしてんだよ……」

……それ、現実でもOSで言い争っている人に言ってあげてほしいです。

果たしてWindowsとMacは仲良くなれるのか。主人公との三角関係はどうなるのか。

しっかりベッドシーンもありますので、そのあたりもしっかり楽しめる作品でした。

ちなみに僕はWindowsもMacも両方持っております。

さて。

本書には表題作だけでなく、他にも短編がいくつか収録されています。

「窓際の林檎ちゃん」が強烈だったので、他のは薄味なのかなと思いながら読み進めていったのですが、ぜんぜんそんなことはなく特濃BLデミグラスでした。


※P35より

たとえばこちらの、「キャッチャー・イン・ザ・エダマメ」は、


※40より

大豆農家から家出してきた少年・江田豆男（えだまめお）が、逃げ出した先で出会った謎の青年・アサヒさんと過ごすひと夏のアバンチュールを描いた作品。

アサヒさんは江田豆男（えだまめお）が家出した理由も聞こうとせず、あっさりと自宅に受け入れます。


※40より

そんなアサヒさんのドライなところに、江田豆男（えだまめお）は惹かれていくのです。

……ドライなアサヒさんに惹かれる江田豆男（えだまめお）……。

ドライなアサヒさんに惹かれる江田豆男（えだまめお）。


これ以上は書きませんが、察していただければ幸いです。


※P43より

でしょうね！


この他にも、本書では、


※P49より


※P51

ホテルを擬人化した「心のこもった御持て成し」など、様々な個性あふれる作品が収録。

最終的にはコレステロールとポリフェノール擬人化という、常人ではたどりつけない高みにまで到達していたので、ぜひ読んでみてください。

BLの擬人化はここまでやれるんだぞ、という可能性を示してくれた一冊でした。



さて、最後に告知です。

こんな感じのBLトークを繰り広げるトークイベントを5月27日（土）に渋谷で開催します。

食べたり飲んだりしながらトークを楽しんでいただくイベントで、BLのことはあまりわからないという方でも楽しめますのでご安心を。

会場では"ここでしか話せない内容"をはじめ、この日のためにご用意いただいた特別メニューやグッズなどを取り揃えてお待ちしています。

ぜひ遊びにきてくださいね！

イベントの詳細はこちら。ざっくりした概要は下記の通りです。

【開催日】2017年5月27日（土）
【時間】開場11：30　開演12：30　終了15：00（予定）
【会場】東京カルチャーカルチャー（渋谷）
【出演】マルコ・妹・小路さん（僧侶）
【チケット料金】前売り2,500円（要ワンオーダー）　当日3,000円（要ワンオーダー）　現在発売中！

それではまた次の記事をお楽しみに！


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