【2017年11月19日】
書店で出会った謎の単語「安眠球」の正体とは? 『兄弟ごっこ』(著・鳥谷しず)
マルコです。
いきなりちょっとした告知から入りますが、本年も「このBLがやばい!2018年度版」(12月発売予定)に
帯レビューを寄稿しております。今年もすばらしいBL帯の数々をご紹介させていただきましたので、ぜひご覧ください。
……その中で一つ、残念ながら
発売日がギリギリ集計対象外ということで漏れてしまった作品があります。
しかし、せっかく見つけた
珠玉の帯をこのままスルーすることなんてできない……!
本で紹介できないならサイトで! ということで、今回はそちらをご紹介したいと思います。
『兄弟ごっこ』(著・鳥谷しず/絵・麻々原絵里依)です。
帯に注目。
こちらの作品を書店で見かけたとき、真っ先に目に飛び込んできたのが
「安眠球」という言葉だったんですよ。
皆さん、聞いたことあります? 安眠球。僕は今までの人生で一度も聞いたことがありません。
思わず本を手に取ったまま
「安眠球……って何だ……?」と1分くらい考えたのですが、やはり記憶のどこを探っても出てこない。
ていうか、そもそもなんて読むの? あんみんだま? あんみんきゅう? 意表をついてスリーピングボール?
あらすじに説明が書いてあるのかなと思って裏面を見てみたのですが、
やっぱり書いていない。
もしかして、
真ん中の犬の名前が安眠球? かと思ったのですが、犬の名前にしては斬新すぎるし、なんでBLの帯で飼い犬の話をしているのかもよくわかりません。冷静に考えて、「ずっと大切にするよ」と言っているんだから、「安眠球」は攻から受への言葉ですよね……。
そんなことを考えた次の瞬間、
雷が落ちたかのような衝撃が脳に走ったんですよね。
そう、それはまさに
天啓。
僕が男であるがゆえに得たインスピレーション……!
これが攻から受に向けての言葉とすれば、「安眠球」は受そのもの、あるいは受けに関係する“何か”を呼称する言葉でしょう。
そして
男性の人体において一般的に「球」と呼ばれる部位は……!
つまり……つまり「安眠球」とは……!
そんな感じで
めちゃくちゃ興奮しながら本を購入し、さっそく家で読んでみることに。
物語は、27歳の若き准教授・
理人が、勤務先の大学にアメリカから招聘されてきた著名な経済学者にして義兄の
瑠璃川と、18年ぶりの再会を果たすところから始まります。
理人もイケメンですが、瑠璃川はそれに加えて富も名声も持っているパーフェクト超人。そんな瑠璃川に理人は想いを寄せているのですが、瑠璃川の恋愛対象は年上だけ。
果たして理人の気持ちは瑠璃川に届くのか……。
とまぁ、ちょっと切ない気分になりつつ、アカデミック系イケメンのBLを読み進めていたわけですが、そうこうしているうちに
ベッドシーンが始まり、ついに
“そのとき”がやってきます。
「やあ、やっと会えたね。僕の愛しの安眠球。君はこんなに美人だったんだね」(P129)
安眠球―――!
「触った感触で形のよさはわかっていたけど、感激を禁じ得ない美しさだ。君のここは、まるでつやつや光る真っ赤なりんご飴みたいだね、理人」(P129)
りんご飴―――!
さすが著名な経済学者の瑠璃川。
股間に関するボキャブラリーが豊富!
ここからは瑠璃川にならって僕も安眠球と書いていくことにしますが、実は瑠璃川、
“安眠球フェチ”という性癖の持ち主で、落ち込んだり不眠気味になったりしたときに恋人の
安眠球を握るとよく眠れたのだといいます。
しかし、日本に帰国してから安眠球を握っていなかった瑠璃川はストレスがたまってしまい、ある夜、
一緒に寝ていた理人の安眠球をつい寝ぼけて握ってしまうのです。
驚いた理人(そりゃあね!)に、瑠璃川は平謝り。自らの性癖を告白したのでした……。
そんなわけで、
類まれな言語センスと性癖を持つ瑠璃川と理人の恋の行く末については、ぜひ皆さん自身でご覧ください。
それにしても安眠球、外で口に出してもおかしくないですし、
もし知っている人がいたら確実に仲間なので話も弾みそうですし、とても便利な言葉ですよね。
僕もこれから積極的に使っていこうと思います!
【前の記事】こんな買い方してみたい! 『BL801冊買える権』が当たった場合を考える[PR]
【次の記事】科学雑誌「Newton」とオカルト雑誌「ムー」がまさかのネタかぶり! 実際の内容はどうだったのか