【2012年10月23日】
ここ数ヶ月、テニプリ読者を悩ませてきた謎の真相がついに明らかに! 「あいつとダブルス組みたくないなぁ」→「よし、殺そう」
さーて、今月も新テニプリをレビューしていきますよ!
ジャンプSQ発売日は毎月4日なのに、毎回記事はこれくらいのタイミング……お前いったい何しとったんじゃと言われそうですが、それはほら、色々とこう、熟成期間ってものが必要なんですよ……うん……。
例によって初見の方のためにこれまでのあらすじをざっくりとご紹介しておきますと、現在のテニプリはリョーマをはじめとするおなじみ中学生メンバーと、海外から帰ってきたばかりの高校生選抜組による、
レギュラー入れ替えをかけた死闘のまっただ中。
レギュラーか、それとも死か。……くらいの価値観でテニプリの世界は動いているということを、まずはおさえておいてください。
さて、現在行われている勝負は、
中学生の木手&ブン太 VS 高校生の君島&遠野というカード。
この対決が、ここ数カ月にわたってテニプリ界隈を騒然とさせているのです。
というのも、
中学生ペアの木手が、
相方のブン太を裏切って高校生ペアについたからです。
なぜ木手は裏切ったのか?
先月号で明らかになったその理由とは、君島先輩が試合前に木手と交渉し、
試合中にブン太を裏切るよう仕向けていたというものでした。
……しかし、実際の交渉内容は、
「自分のパートナーである遠野を再起不能にしてもらいたい」というあまりにも衝撃的なものだったのです。
しかし、なぜ?
なぜ君島先輩はパートナーである遠野の抹殺を依頼するのでしょうか。
謎が謎を呼ぶ展開――今月号はそんな君島先輩と木手との回想シーンから始まりました。
「僕は前々から遠野とのダブルスを解消したいと思っていました」と語る君島先輩。
パートナーを解消したい――どうやらこれが遠野の抹殺を木手に依頼した本当の理由だったようですね。
……たしかに処刑人・遠野先輩は、敵としてはもちろん、
味方としてもあまり関わりたくないタイプのサイコパスです。
でもね、
もうあいつとはダブルスを組みたくない。
↓
よし、殺そう。
……この思想の方がもっとヤバイんじゃないかと思いますよ、僕は。
ていうか、ダブルスを解消したいんなら、わざわざ再起不能にしなくても
コーチにそう言えばいいのでは……。
……。
話を進めましょうか。
しかし遠野とて処刑人と呼ばれる猛者。木手がいきなり遠野を狙っても、そう簡単に倒すことはできないでしょう。そこで君島先輩は、遠野を油断させるために
「まずパートナーを裏切って我々側についてほしい」と木手にもちかけます。
そう、木手がブン太を裏切ったように見えたのは、実はフェイクだったのです。
……その割には
本気で殺しにかかってたような気がしないでもないのですが、敵をだますにはまず味方からって言いますもんね!
さて、君島先輩によると、処刑人・遠野先輩は常にクールな男ではあるのですが、唯一、
処刑のとき興奮し集中しすぎて隙ができるとのこと。そこを狙え、と君島先輩は木手にアドバイスします。
対戦相手を処刑するとき猛烈に興奮する男、遠野篤京。
……たしかに
ダブルスのペアとしては嫌すぎです。
今、ほんのちょっとだけ、君島先輩の気持ちがわかった気がしました。
そんな密約がかわされているとはつゆ知らず、呑気にブン太くんを狙い続ける遠野先輩。
これは……ひょっとして
懐かしのダイ・ハードネタでしょうか。何ともゴキゲンな遠野先輩ですが、ここで
追い詰められていたブン太くんが覚醒します。
まさかの新技、
「ワンダーキャッスル」発動!
……ネーミング的に
「跡部王国(あとべキングダム)」とややかぶりなのが気になりますが、それよりも重要なのはどんな能力なのかということです。
本編での解説によれば、「ワンダーキャッスル」とは、本来攻撃型のボレーヤーであるブン太が守備的に立ちまわることで、
すべてのボールをネット際で返球するというもの。端的にいうと、
がんばって左右にいっぱい動く技、ということになるでしょうか。ていうか技なのかそれは。
……いずれにせよ、これなら後衛である木手にはボールが回らないため、後ろからの攻撃を気にかける必要がなくなります。
もっとも、本来は
後ろからの攻撃に備えなければならないという状況自体が異常ですし、ブン太の新技に対するギャラリーからの
「あれなら実質2対1だ!!」という声にしても色々と
驚くポイントを間違えてるだろと思うわけですが、そこらへんはテニプリ的には些細なことなのでどうでもいいです。
ともあれ、起死回生の必殺技「ワンダーキャッスル」で3人に対抗するブン太くんですが、さすがに相手は海外選抜、一筋縄ではいきません。
処刑人・遠野先輩が放ったボールは無情にもワンダーキャッスルをくぐり抜け、木手の手元に!
すかさず木手は必殺技「大飯匙倩(おおハブ)」を繰り出し、ブン太が観念した次の瞬間――
蛇のように軌道を変えながら飛ぶ「大飯匙倩(おおハブ)」は、ブン太をすり抜けて向こう側にいた遠野先輩に……
……ではなく、なんと
君島先輩にスマッシュヒット!
ブン太でもなく遠野先輩でもなく、君島先輩を狙撃したこのショットは、木手が君島先輩の交渉にNOを叩きつけた証。
そう、殺し屋・木手は、ブン太と共に真っ向から海外選抜ペアに立ち向かう道を選択したのでした。
これに
ブチ切れる君島先輩。顔、怖! やっぱこの人もサイコパスや!
「3対1」から「実質2対1」というテニスにあるまじき状況を経て、
やっとたどり着いた普通のダブルス。
来月からはいよいよ処刑人 VS 殺し屋による
ガチンコの殺し合いが見られるのでしょうか。……何となく
処刑人・遠野先輩がかませ犬っぽい雰囲気を醸しだしているのが気になりますけど、テニプリ史上に残る仁義無き戦いを期待していますよ!
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