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【2015年8月9日】

今月のテニプリに「パピプペポ」でしか喋らないテニス選手が登場しファンを騒然とさせているようです



どんなときでも、つねに読者の想像を斜め上に裏切ってくることでおなじみ、「新テニスの王子様」ですが、今月のテニプリではついに「パピプペポ」でしか喋らない外国人選手が登場しました。


※2015年8月発売号より

それが彼ら、「ツベ共和国」からやってきたM・ノブテール(高3・右)くんとM・ハルハータ(中3・左)くんです。

「パパラピー アメーリカ ポププ プペーロ!!」と叫んでいますが、これは日本語に翻訳すると「もうちょいでアメリカ失格だったのにな」となるようです。

……彼らはいったい何者なのか。そして、いったいテニスの王子様はどうしてしまったのか

そのあたりを解説していきたいと思います。



まず、現在のテニスの王子様の状況ですが、ちょうどワールドカップ編が始まったばかり。

かつて主人公・リョーマが所属する青学は、旧テニプリのラストで立海大付属を破り、全国優勝を果たしたわけですが、その後、他のライバルたちと一緒にU-17日本代表合宿に招集。熾烈な日本代表レギュラー争奪戦を行いました。

その結果、中学生・高校生から選ばれた日本代表メンバーが決定します。

参考:【今月のテニプリ】なぜ平等院さんは同じ日本代表の仲間を本気で殺そうとしたのか? その理由が判明!

しかし、実はこのとき、リョーマは日本代表合宿から追放されており、兄のリョーガに勧誘されて渡米。そのままアメリカ代表としてワールドカップに出場することになります。


そして、ワールドカップが幕を開け、エキシビジョンマッチとして日本 VS ドイツの試合がスタート。

もう一方のコートでは、アメリカ VS ツベ共和国の試合が始まります。

アメリカチームは先ほど書いた通り、リョーマが所属している強豪チーム。

対するツベ共和国は、建国から30年を迎えたばかりの新しい国だそうです。……この情報、しっかりと覚えておいてください。


さて、いよいよエキシビジョンマッチが始まるわけですが、ここで思いもよらぬ事態が発生。


※2015年8月発売号より

なんと、アメリカチームがシャワーを浴びている間に、何者かがシャワールームの扉を外から固定して出られないようにしてしまったのです。

このままではアメリカチームは全員、ツベ共和国との試合に参加できず、不戦敗になってしまう……!

こんな卑劣なやり方をするのは、いったいどこの誰なのでしょうか!?



※2015年8月発売号より

……ツベ共和国の選手でした。

幸い、リョーマだけはシャワーを浴びていなかったため難を逃れたのですが、ダブルスで組むはずだった兄・リョーガはシャワールームに閉じ込められたまま。


※2015年8月発売号より

そこでリョーマは、急きょ係員としてアメリカ代表チームに同行していたオリバーに声をかけ、リョーガの代わりに出場させることにします。

このオリバーさん、かつてアメリカ代表入りを目標にがんばっていたという背景がありまして、このトラブルで夢を叶えることができた……という許斐先生の粋なストーリー展開なのですが、そういうちょっとイイ話は今回は割愛しますので、皆さんぜひ本誌か単行本で読んでみてください。

それよりも、今回取り上げないといけないのは、冒頭にも書いたツベ共和国の言語についてです。

そう、


※2015年8月発売号より

何度も同じシーンを紹介して申し訳ありませんが、ツベ共和国の言語は発音のほとんどが「パピプペポ」で構成されているのです。


※2015年8月発売号より

たとえば、

「誰にも止められない」は「パプゥポ パペピポ ポペ パペパーイ!!」ですし、


※2015年8月発売号より

「お子ちゃまにはハンデあげちゃうよ」は「ポポピャーマ パラピーポ!!」となり、


※2015年8月発売号より

「今さら必死になっても遅いぜぃ」は「ピパパーラ ポポイ♪」となります。

……このツベ共和国語、いったいどういう文法になっているのか気になったので、調べてみました。

まずは、作中からツベ共和国語とその日本語訳を抜き出してみましょう。

「パパラピー アメーリカ ポププ プペーロ」
もうちょいでアメリカ失格だったのにな

「パアァァァァァアピプペポォ!!」
ああ〜っ夏休みってか

「プピナッチョ…」
夢とちゃうのかい

「パプゥポ パペピポ ポペ パペパーイ!!」
誰にも止められない

「ポペペ…ピピペ…プペポォォォォ―――ッ!!」
燃えて…散って…花火

「ウッポポポーッ」
※訳無し

「ポポピャーマ パラピーポ!!」
お子ちゃまにはハンデあげちゃうよ

「パパラリーパ ポポピャーマ!?」
ガキのくせに何て球打ちやがる

「ウババァァ!!」
※訳無し

「ピッポポ プペラピッポポ」
イッツオーライ 泣いたっていーんじゃない

「ウポポポ ペイペーッ♪」
まだまだベイベー

「ピパパーラ ポポイ♪」
今さら必死になっても遅いぜぃ

「パーピョナラ〜♪」
サヨナラ〜

「ペプパ ピィェーイ!!」
イエスタデー!!

「プラプラパラピーポ!!」
お子ちゃまにもハンデやらねー

「プペペェェ〜〜!?」
※訳無し

「パププポー!?」
サウスポー!?

……セリフを追っていくだけでも何となく展開が読めますが、読めないのはツベ共和国語の言語体系です。

日本語訳を見ると、けっこうバラエティに富んだ内容をしゃべっているのですが、ツベ共和国語だと9割が「パピプペポ」で構成されており、文法が謎に満ちています。

たとえば「パアァァァァァアピプペポォ!!」(ああ〜っ夏休みってか)は、冷静に読むと「パピプペポ」としか言っていないにも関わらず「ああ〜っ夏休みってか」という複雑な意味を持っていますし、


※2015年8月発売号より

そうかと思うと、「ウポポポ ペイペーッ♪」(まだまだベイベー)の「ペイペー」のように、わりと英語に近い発音を持った単語も存在しているようです。これは「パパラピー アメーリカ ポププ プペーロ」(もうちょいでアメリカ失格だったのにな)からもわかります。

このままではわけがわからないので、まずはセリフの中から共通して登場する単語を抜き出してみました。


※2015年8月発売号より


※2015年8月発売号より

まずは「ポポピャーマ」です。「ポポピャーマ パラピーポ!!」(お子ちゃまにはハンデあげちゃうよ)と、「パパラリーパ ポポピャーマ!?」(ガキのくせに何て球打ちやがる)という二つのセリフで使われています。

おそらくこの翻訳は意訳だと思われますので、似た意味の単語を探しましょう。

そうすると、「お子ちゃま」「ガキ」という単語が比較的近い意味ですので、おそらく「ポポピャーマ」は「子ども」という意味で間違いないでしょう。

ということは、残る「パラピーポ」は「ハンデあげちゃうよ」という意味になるわけですが、これは正しいのでしょうか。

ここでもうひとつ注目したいのが、


※2015年8月発売号より

こちらの「プラプラパラピーポ」(お子ちゃまにもハンデやらねー)です。

実はこれ、先ほどの「ポポピャーマ パラピーポ!!」(お子ちゃまにはハンデあげちゃうよ)の否定形なんですね。

で、両方に「パラピーポ」が含まれていますので、やはり「パラピーポ」が「ハンデ」という意味で間違いなさそうです。

しかし……今度は別の問題が。

「プラプラパラピーポ」には「子ども」を意味する「ポポピャーマ」が含まれていないのです。

つまり、「ポポピャーマ パラピーポ」を否定形にする場合、英語なら「Not」などの否定を意味する単語が加わったり、日本語なら語尾に「ない」などがついたりするわけですが、ツベ共和国語の場合は、「ポポピャーマ」→「プラプラ」という風に使用する単語自体が変わってしまうわけです。

しかし、「ポポピャーマ」は「子ども」という意味のはずですから、これを外してしまうと、「お子ちゃまにもハンデやらねー」という意味にはならないはず……。

この謎はちょっと難しいのですが、「前に出ていたポポピャーマが省略されている」のではないかと考えました。

「ポポピャーマ(子どもに) パラピーポ(ハンデを与える)」を否定形にして、

「ポポピャーマ(子どもに) プラプラ(ない) パラピーポ(ハンデを与える)」となり、ここから「ポポピャーマ」が省略された形です。

つまり、「プラプラ」は否定を表す単語というわけです。

実際、


※2015年8月発売号より

この場面、「ハンデやらねー」だけでも意味としては通じるシーンです。

つまり、ツベ共和国の選手は「ハンデはやらねー」とだけ言っているのですが、前後の文脈から判断して「お子ちゃまにも」が付け加えられ、わかりやすく意訳されたと考えればいいのではないでしょうか。

残念ながら、「プラプラ」がこれ以外登場しないのでわかりませんが、ツベ共和国語に詳しい方がいたらぜひ教えてください。



さて、


ここまでツベ共和国語を口に出して読んできた皆さんでしたら、もうお気づきのことかと思いますが、

ツベ共和国語には日本語とのある共通点があります。

それは、「音の段」です。

段とは「a」「i」「u」「e」「o」の5つの母音を含むグループのこと。

たとえば、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」は、すべて「a」を発音に含んでいますよね。

さて、ここでツベ共和国語を見てみましょう。


※2015年8月発売号より

こちらは、リョーマがサウスポーだった(それまで右手で打っていた)ことにツベ共和国選手が気づいて驚くシーンです。

これはわかりやすいですね。 「パププポー」の意味は「サウスポー」になるわけですが、両方とも母音が同じであることがわかります。

「パ(a)プ(u)プ(u)ポー(o)」
「サ(a)ウ(u)ス(u)ポー(o)」


さらに、


※2015年8月発売号より

これはちょっとわかりにくいのですが、

「ペ(e)プ(u)パ(a)ピィェ(e)ーイ」
「イェ(e)ス(u)タ(a)デー(e)」


……という感じで、「イエスタデー」をねちっこく発音すると母音が一致します。

また、先ほど「ポポピャーマ」が「子ども」という意味だと分析しましたが、これもそのまま「お子ちゃま」ととらえれば「ポポピャーマ」と母音が一致することがわかります。


※2015年8月発売号より

ちょっと難しいのはこれで、

「パペピポ(a/e/i/o) ポペ(o/e) パペパーイ(a/e/a/i)」
「だれにも(a/e/i/o) とめ(o/e) られない(a/e/a/i)」


という感じに一致するのですが、そうすると、その前の「パプゥポ」が何なのかよくわかりません

今度は日本語訳の方で何かが省略されているのではないかと思ったのですが、「パプゥポ」と同じ「auo」の音を持つ適当な単語が思い浮かびませんでした。

ここは宿題とさせてください。

ともあれ、ここまでをまとめると、ツベ共和国語のある特徴が見えてきます。

つまり、「パラピーポ」(ハンデを与える)や「プラプラ(否定形)」などの独自の単語と文法を持ち、一方で「日本語の単語と同じ母音でパピプペポに置き換える」法則で構成されているということです。

また、パピプペポばっかりに思えますが、それはおそらく日本人の耳では聞き取れないだけで、実際には同じ「パピプペポ」でも発音が微妙に異なったりして使い分けているのではないでしょうか。そう、英語の「R」と「L」を区別するのが多くの日本人には難しいように……。

ただし、ツベ共和国語はすべてがこの法則に当てはまるわけではなく、中には完全に謎のベールに包まれている文法・単語もあります。

たとえば、


※2015年8月発売号より

これですね。日本語訳すると「ああ〜っ 夏休みってか」となるのですが、ツベ共和国語では「パアァァァァァピプペポォ!!」です。

……正直、お手上げです。

しいていうなら、「ああ〜っ」の部分は彼のテンションが上がっていることを表すために翻訳時に付け加えられたと考え、「夏休みってか」の「ってか」も単なる言い回しなのでカットするとして、「パピプペポ」が単に「夏休み」の意味であると考えるのが無難かなと思うのですが、そうなると先ほどの母音の法則にも当てはまりませんし(夏休みなら「パプパプピ」になるはず)、やはりお手上げです。何かまだ表に出てきていない文法が存在するのかもしれません。


さて。


そんな感じでツベ共和国語を分析してみたわけですが、実はもっと以前から、我々はツベ共和国語を話す人物を知っています。


※新テニスの王子様9巻より

「コート上のペテン師」の異名を持ち、どんな相手にでも変身できるイリュージョンを使いこなす立海大付属の仁王です。

このシーンは、跡部とダブルスと組んだときのもので、ボロボロになった仁王に跡部が「行けんのか……仁王?」と声をかけ、それに仁王が答えているところ。

「行けんのか……仁王?」→「プピナッチョ」という謎のやりとりは多くのテニプリ読者を困惑させましたが、

まさか、


※2015年8月発売号より

「プピナッチョ」が「夢とちゃうのかい」という意味だったとは思いませんでした。

まぁ、「行けんのか……仁王?」→「夢とちゃうのかい」になったところで、結局意味が通っていない気もしますが、この話はこのへんで。


……それよりも、そろそろ皆さんもお気づきかと思いますが、



※2015年8月発売号より

この二人、そしてツベ共和国という名前を見て、何かピンとこないですかね。

今度は漫画じゃなく、現実のほうで。



※2015年8月発売号より

彼、M・ノブテールくん(高3)の必殺技は「燃えて散って花火」というのですが、これって今年、デビュー30周年を迎えた偉大なバンド「TUBE」の名曲「花火」に登場する歌詞なんですよね。

さらに、ツベ共和国はアルファベットで書くと「TUBE」、ツベ共和国は建国30年で、TUBEは今年デビュー30周年です。ボーカルは前田亘輝でツベ共和国の選手はM・ノブテール

そういえば、「あー夏休み」も「さよならイエスタデイ」もTUBEの曲名で、「夢とちゃうのかい」は「花火」に登場する歌詞ですね。


……そうなんです、読んでいて途中まで気づかず「なんかおかしいな」と思っていたのですが、



実は許斐先生はもともとTUBEの前田さんと仲が良いとのことで、今回の登場になったそうです。

なるほど、と納得はしたのですが、


※2015年8月発売号より

ツベ共和国の連中、対戦相手を閉じ込めて不戦勝を狙うような卑劣な悪役なんですが、それは大丈夫なのでしょうか。


……何はともあれ、ここまでがっつりお遊びをストーリーに組み込んで読ませてしまうのはさすがテニプリ。

「テニプリは何でもあり」という事実を改めて別角度から再確認できた神回でした。


関連記事:【新テニスの王子様】ここ数ヶ月の展開で、許斐先生はやはり天才であることがわかった





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