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20年前のゲームブック



皆さんは「ゲームブック」というジャンルの本をご存知でしょうか。

簡単に言うと、小説に選択肢が加わることでマルチエンディングを実現した、今でいうサウンドノベルの先駆けのような本です。

たとえば、

あなたが道を歩いていると、前方から老人が向かってきた。どうする?

A.話しかけるなら 40ページへ
B.無視するなら 50ページへ

と、いうような感じです。

さて、最近はあまり見かけなくなった気がするこの「ゲームブック」。

今回、なんと1988年に発刊された約20年前のゲームブックを手に入れましたので、見ていくことにしましょう。

まずは表紙とタイトルから度肝を抜かれます。

その名も「ムー帝国の興亡」。なんというカオスなタイトルでしょう。

さりげなく「謎のムガーラ・クリスタル」というサブタイトルが付けられていますが、この本の内容が一番の謎です。

しかも、上の方には「深層心理シミュレーションゲーム・ブック」というゲームブックらしからぬ紹介文が書かれており、さらに左上には、

「このゲームブックでの経験は、あなたの深層心理を浮かび上がらせます。あなたの性格が、あなたの適職が、あなたの使命が、あなたの恋が、そして……」

という気になる一文がさらっと添えられています。

性格や適職ぐらいまでならともかく、使命や恋まで浮き彫りにされるとは……ゲームブックと思って侮っていましたが、こいつは大変な本かもしれません。

そして、やはり注目すべきは表紙に描かれた3人の男女のイラスト。妙に内股な真ん中の男は、おそらく主人公でしょうが、左右の男女がなんだかもうよくわかりません。右の男は明後日の方向を良い表情で見つめていますし、左の女性は色んな意味でどうにかならないのでしょうか。


……さて、この後、内容をご紹介していこうかと思ったのですが、このゲームブック、深層心理云々というだけあってかなり内容が細かく、びっしりと文字で埋まっています。どれくらいすごいかというと、著者自身があとがきで

まず「よくここまで読み進んできた」と申しあげたい。(中略)正直にいって、最後までストーリーを追える人はそれほど多くないかもしれないと、作者は、この本の制作段階から心配していた。

と言ってしまうぐらいの難解っぷり。

これをまともにレビューするのは不可能ですので、ここはひとつ、物語中の挿絵を追っていくことにしましょう。ほら、気になるのはさっきの3人組の行方だけですし。


パラパラとめくっていくと……。

どうやら先ほどの主人公っぽい男が登場したようですね。

なんだか切ない表情で奥のオッサンと女性を眺めています。恋でしょうか。なんとなく目がトロンとしていて、ラリっているようにも見えます。

そして、さらに先へ進むと、


KKKみたいな集団が現れました。なんかもうあからさまに怪しすぎます。いったい何なんでしょうこの人たち。自分の深層心理よりも、こいつらのマスクの中身に興味が沸いてきましたよ。


さらにページをめくっていくと……。


これは……格闘技か何かの大会で優勝したのでしょうか。主人公の姿が見えませんが、右下の男がとても良い顔だったのでついご紹介してしまいました。ていうかどっち向いてるんだ。


そうそう、「ムー」といえばかつて栄華を極め、天変地異により海に沈んだとされる古代の帝国です。だからでしょうか、ここまでの挿絵を見る限り、どうやら古代ローマに通じる世界観を持っているようですね。

僕は世界史が好きで、特に古代ローマは大好きな時代なので、こういうのは大好きですよ!

なんとなく主人公の行く末も気になってきたところで、次を見ていきましょう。


何があった。


……ここへきて、突然の近未来。

しかもバイクに乗っているのは、たぶん表紙の二人ではないですか。

タイムスリップでもしたのか、それともこれがムー帝国の科学力なのか。ていうかさっきまでと服装も違いますやん。


この衝撃の近未来展開から、さらにゲームブックは暴走を始めます。


もうこれなんて、いったい何の場面なのか微塵もわかりません。なんとなく壁に縛り付けられた男どもが若干前かがみになっているような気がしないでもありませんが、それについてはまあ……当サイトは10歳以下の方もご覧になっているので、自重することにします。


そして冒険の旅は終わり……。

「あなたは生まれ変わった」というスピリチュアルな文章から性格診断が始まります。なんとこの診断、70ページにもわたって細かく考察されており、それだけで世にあまたあふれる占い本を超えているわけですが、残念なことに特に面白い挿絵はありませんでしたので割愛します。というか、ゲームブックをしっかりやりこまないと、突然「あなたの前世は吟遊詩人だ」とか言われますので、話についていけません。


……それでは最後に、この本のラストを飾った見開きのイラストをご紹介して今回はお別れです。

ではまた!






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